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2018年

1.再不認定処分のスリランカ難民が東京地裁・高裁で勝訴

(説明)2006年に日本経由でカナダに逃れようとしていたスリランカ・タミール難民が,入管で難民として認められず,2011年に大阪地裁において難民不認定処分が取り消され判決確定したにもかかわらず,再度同年末に不認定処分にして在留許可をしたという事案で,その後も継続して争い,2015年に東京地裁に提訴した事案(不認定処分取消と義務付け)。この事案で原告は終止条項の適用を求め,地裁はこれに応えて,終止条項の適用によって,原告の難民性の継続を認定,高裁も12月にこれを維持しました。しかも高裁は明確に国際難民法の終止条項の規範を用いて国の主張を退けました。なお,201917日付で難民認定証明書が交付された。 

2シリア難民集団訴訟で敗訴  

3.今年も難民審査参与員の問題言動

(説明)異議申立ての口頭意見陳述・審尋の場において、質問をしていない参与員が居眠りを始めた。今にも座席から崩れ落ちそうになっており、目に余るため、代理人から「起きてください」と声掛けをしたものの、一度では起きず、再度「起きてください」と声掛けし、さらに難民調査官からも「先生」と促されて、当該参与員は目を覚ました。この件について、当該参与員から異議申立人に対する直接の謝罪はなく、後日、代理人から法務省と難民審査参与員に抗議の申し入れをしたところ、法務省において事実確認を行い、当該参与員は居眠りをしたことを認め、法務省から注意を行った、とのことである。2017年9月12日に、全難連から「難民審査参与員の問題ある言動実例集」を申し入れたが、いまだ改善が見られない。抜本的な見直しが必要である。 

4難民認定申請を抑制する運用変更

5長期の入管収容が更に深刻化(平成30年2月28日付け法務省入国管理局長指示について)

(説明)仮放免に関し、全難連による情報公開請求により、平成30年2月28日付け法務省入国管理局長指示「被退去強制令書発付者に対する仮放免措置に係る適切な運用と動静監視強化の更なる徹底について」が開示(一部)されました。

同指示は「仮放免を許可することが適当とは認められない者」として8つの類型を挙げ、「送還の見込みが立たない者であっても収容に耐え難い傷病者でない限り,原則,送還が可能となるまで収容を継続し送還に努める。」としています。

さらにそのうち4つの類型(重大犯罪で罰せられた者、犯罪の常習性が認められる者、社会生活適応困難者(DV加害者や社会規範を守れずトラブルが見込まれる者など)、悪質な偽装滞在・不法入国等の関与者など)については「重度の傷病等,よほどの事情がない限り,収容を継続する。」としています。

本件指示により、収容の長期化が更に深刻になることが懸念されます。

なお、本件指示については、会員専用HPに入り「入管運用関係の情報開示請求結果」から検索できます。

6全難連が2018年難民アドボカシー賞を受賞

(説明)難民にとって厳しい状況が続く日本での地道な活動が評価され、11月、全難連がカナダ難民弁護士協会(Canadian Association of Refugee Lawyers (CARL))より2018年難民アドボカシー賞を受賞しました。  

7入管法改正

8空港申請数が激減 

(説明)2018年6月までの空港での難民申請件数はわずか12件のみとのことで、2015年の173件、2016年の152件、2017年の133件と比較して激減している。詳しい原因は分かっていないが、空港窓口で難民申請をさせずに帰国させたケースが複数報告されており注意を要する。

9仮放免不許可処分取消訴訟で認容判決(東京地裁平成30828日判決・確定)

(説明)東日本入国管理センターに収容されていた50代男性が仮放免不許可処分の取消を求めた訴訟において、裁判所は、男性が拘禁性うつ病に罹患し改善が見られないことから、人道上配慮の観点から身柄の解放を相当とする場合に当たるとして、収容されて29か月後の不許可処分を違法とした。

仮放免不許可処分が違法となる場合について、実質的に判断された初のケースであり、原則収容主義については容認するなど課題も残る判決であるが、今後の訴訟による発展に期待したい。 

10エチオピア難民勝訴

2017年

1.16年ぶりに地裁・高裁で勝訴ゼロ

(説明)今年、退令事件での勝訴ケースは複数あったが、難民事件での勝訴はゼロ件で、2001年以来16年ぶりとなった。「日本の難民認定基準は厳しすぎる」という批判の高まりに対し、裁判所は今後どのように答えるのであろうか。

《全難連資料》

08

09

10

11

12

13

14

15

16

17

提訴

72

50

55

40

46

35

35

61

50

判決

127

82

62

68

勝訴(地裁)

4

1

10

1

2

0

1

2

0

0

勝訴(高裁)

2

5

0

2

2

1

0

0

3

0

98

99

00

01

02

03

04

05

06

07

提訴

52

53

25

52

59

82

判決

11

14

42

64

84

145

勝訴(地裁)

0

0

0

0

2

3

15

7

5

13

勝訴(高裁)

0

0

0

0

0

1

0

2

4

8

(参照 法務省ウェブ、ほか)

2.麻生発言

(説明)「武装難民」なる表現には驚愕した。欧州の政治家であればこれで政治生命は終わっていよう。「武装」「難民」は矛盾した概念であり,政治の中枢にある者の発言としてはあり得ず,日本政府の難民問題への無理解を端的に示すものとなった。

《全難連声明》

麻生太郎副総理の発言に対する抗議声明 全難連(2017925日)

《関連報道》

麻生副総理、再び「北朝鮮武装難民」発言…選挙終盤まで北風活用 Hankyoreh20171019日)

麻生太郎氏「北朝鮮の武装難民来たら射殺か」 有事なら「真剣に検討」 産経新聞(2017924日)

《政府》

麻生副総理の武装難民発言に関する質疑について(法務大臣閣僚後記者会見の概要) 法務省(2017926日)

3.難民参与員の問題発言

(説明)本国で反対勢力の兵士から強姦されたことを訴えている難民申請者に対して、難民審査参与員が「美人だから狙われたのか?」などと質問したことが報道され、法務大臣は遺憾であると表明。全難連は、難民審査参与員の問題ある言動事例集を法務省に提出し、制度の改善を申し入れた。

《全難連声明》

◆ 難民審査参与員の問題行動に係る抗議声明 全難連(201695日)

◆ 難民審査参与員の問題発言・行動に対する申入書 全難連(2017912日)

《関連報道》

難民審査 強姦被害者に「美人だから?」 弁護士が抗議 共同通信(2017831日)

「美人だったから狙われた?」 難民審査で不適切な質問 朝日新聞(201791日) 《英語版》Lawyer: Refugee screener praises beauty of victim of sexual abuse 朝日新聞(201791日)

難民認定 審査で、強姦被害者に「美人」発言 毎日新聞(201791日)

難民審査参与員、性犯罪被害者に不適切発言か TBS201791日)

難民認定審査制度の抜本改善を 参与員問題発言で申し入れ 共同通信(2017912日)

Lawyers’ group petitions ministry to improve attitudes of refugee counselors following alleged inappropriate remark(不適切発言疑惑を受け、弁護士団体が難民参与員の言動改善を求めて法務省に申し入れ) Japan Times2017912日)

難民審査で「あなたは難民としては元気すぎる」!?~難民審査参与員の問題事例が全国難民弁護団連絡会議に多数報告される――同会が改善求め法務省に申入書を提出 IWJ2017912日)

難民申請者に「不適切発言」 弁護団が法務省に改善要求 NHK2017912日)

難民認定審査めぐり支援弁護団が法務省に是正要求 テレビ朝日(2017912日)

難民申請者に不適切発言、参与員制度の改善申し入れ TBS2017912日)

「美人だったから?」発言 全難連が難民審査の改善要請 朝日新聞(2017913日)

暴行被害の女性に「美人だからか」難民審査で 読売新聞(2017913日)

難民審査員の「美人だったから?」発言 法相が「遺憾」 朝日新聞(2017922日)

女性難民の審査で不適切発言 上川法相「誠に遺憾」 NHK2017922日)

《政府》

難民審査参与員の不適切発言に関する質疑について(法務大臣閣僚後記者会見の概要) 法務省(201791日)

難民審査参与員の不適切発言に関する質疑について(法務大臣閣議後記者会見の概要) 法務省ウェブ(2017919日)

難民審査参与員の不適切発言に関する質疑について(法務大臣閣議後記者会見の概要) 法務省ウェブ(2017922日)

糸数慶子議員(沖縄の風)第195回国会(特別会) 参議院法務委員会質疑(難民保護、難民審査参与員制度、ほか) 2017125日議事録抜粋[PDF]127日議事録抜粋[PDF] 参議院ウェブ

 

4.高裁で難民勝訴したネパール人2人に再び不認定処分

(説明)裁判で難民不認定処分が取り消されても,法務省はまったく動じ ない。また入管に手続が戻ってきて再び難民不認定処分をして在留許可をしてそれで終了。これまでにも散見され,再度の裁判に至っているのはスリランカケースのみ。申請者の保護にも欠け,同時に司法軽視も甚だしく,さらに,難民条約上の終止条項にも反する結果導いている。

《関連報道》

名古屋入管 「ネパール治安改善」で難民判決の2人不認定 毎日新聞(2017613日 夕刊)

《全難連資料》

法務大臣が裁判所の難民判断を尊重しなかった過去の事例

 

事案

裁判

法務大臣

1

トルコ・クルド人

2006630日に名古屋高裁で勝訴(確定)

再度の難民審査で不認定+人道配慮

2

アフガン・ハザラ人

2006913日に東京高裁で勝訴(確定)

再度の難民審査で不認定+人道配慮「日本人の配偶者」

3

スリランカ・タミル人

2011330日に大阪地裁で勝訴(確定)

再度の難民審査で不認定+人道配慮「特定活動」

5.強制送還で裁判の権利を奪われた庇護希望者が提訴

(説明)平成26年12月18日「チャーター機送還」(集団送還)により、難民申請者らが難民異議棄却の告知から24時間以内にスリランカへ強制送還された。

そのうち2名が平成29年10月19日、東京地裁に本件送還により「裁判を受ける権利」(憲法32条)の侵害を理由に国家賠償請求訴訟を提起した。

《関連報道》

<難民申請>異議申し立て棄却の翌日に強制送還、裁判できず…スリランカ人が国を提訴 弁護士ドットコム(20171019日)

強制送還のスリランカ人が提訴「裁判受ける権利を侵害」 朝日新聞(20171019日)

提訴 「裁判受ける権利侵害」 送還スリランカ人、賠償求め 毎日新聞(20171020日)

「強制送還で裁判権利奪われた」難民認定求めた2人が提訴 NHK20171019日)

スリランカ人男性2人、難民認定の裁判受ける権利侵害されたと提訴 TBS20171019日)

 

6.「濫用」者排除の施策進む

(説明)本年6月、入管法施行規則が改正され、難民認定の権限の法務大臣から地方入国管理局長への委任が可能となり、また、再申請者に対しては、同規則改正により再申請者用書式が新設されて再申請者は同書式を用いなければならないこととされた。もっとも、地方入管管理局長限りで決定をできるのは入管がほぼ「濫用」者と位置付けた者を不認定にする場合に限られ、同改正は、「濫用」者の速やかな排除を目的とするものとなっている。また、再申請者に対しては、就労や在留を認めず、場合によっては収容をするなど、その取扱いが厳しさを増している。難民認定の正確性を欠いたままこれらの施策が進められた結果、迫害を受けるおそれがありながら難民認定を受けられず、帰国もできない人たちがますます追い詰められている。

《全難連声明》

出入国管理及び難民認定法施行規則の一部を改正する省令案に対するコメント 全難連(201732日)

《政府》

難民認定に関する質疑について(上川法務大臣初登庁後記者会見の概要) 法務省(201783日)

《関連報道》

難民認定制度を厳格化へ 急増受け一律就労許可廃止 共同通信(20171227日)

難民審査を厳格化へ=「偽装」排除、就労を抑制―法務省 時事通信(20171118日)

難民「偽装申請」防止へ新対策、就労を大幅制限 読売新聞(20171031日)

難民申請後の就労不可…偽装対策、実習生ら限定 読売新聞(2017630日)

7.脆弱者のインタビューへの立会の試行 

(説明)日本では、難民認定申請手続における代理人等のインタビューへの立会いが認められていないが、2017年3月31日より、親等を伴わない16歳未満の年少者や精神的障害を有する者など、脆弱性を抱える難民認定申請者のうち、首席審査官が認めた場合は、例外的に弁護士、医師、カウンセラー等の立会いを認める取扱いの試行が始まった。ただし、対象を未成年者のうち16歳未満に限っていること、精神的障害についての当局側の制限的な理解もあり、まだ実施された案件はないと見られている。

《政府》

平成29331日付け法務省入国管理局総務課難民認定室長通知「親を伴わない年少者等に対して面接による事情聴取を行う際の立会いの試行について」

子どもの権利委員会への第4回・5回政府報告(2017630日提出)

 

8.訪日外国人の増加、難民申請者数が増加 

(説明)2017年の難民申請数は2016年の10,901人を大幅に上回る見込みであり、7年連続で過去最多を更新することが予想されている。この背景には、観光立国推進のための訪日外国人2000万人という政府目標の達成に向けたビザの大幅緩和がある。実際に、2011年時点で500万人強であった新規入国者数は2016年には2404万人に達しており、2017年もこれを大幅に上回ることが予想されている。

《グラフ》

9.上半期認定3人(人道配慮27人)のみ

(説明)その年の難民認定の多くが年末に出される扱いが通例となっているが、半年間で僅か3人というのは異常としか言いようがない。一方で、認定業務の滞りによって長期間保留状態にある申請者は数多く、彼らの早期認定を望む。

《全難連声明》

法務省発表「平成28年における難民認定数等について」を受けてのコメント~制度の歪みのコストを難民に負わせてはならない~ 全難連(2017330日)

《関連報道》

難民認定 申請が急増 上半期8561 目立つ就労目的 毎日新聞(2017102日)

難民認定、上半期わずか3偽装申請止まらず 読売新聞 via MSN2017103日)

 

10.シリア人留学生の受け入れ

(説明)内戦を逃れて隣国ヨルダン及びレバノンで暮らすシリア難民について、年間に国費留学生10人およびJICAの平和構築・人材育成プログラムで20人を留学生として日本への受け入れが開始された。政府は、5年間で合計150人を受け入れる予定。このほか、認定NPO法人難民支援協会が国内の大学や語学学校等と連携し、民間でのシリア人難民留学生の受け入れ事業も開始した。

《関連報道》

JICA 妊婦難民「奨励せず」 募集要項、批判受け削除 毎日新聞(20161222日)

シリア難民、300人規模で受け入れへ 政府、定住に道 朝日新聞(201723日)

シリア難民、留学生で受け入れ 日本のNPO6人招く 朝日新聞(201729日)

シリア難民の留学生、日本に無事到着 「チャンスをありがとう」 クリスチャン・トゥデイ(201743日)

難民対策 政府、シリア留学生に家族同伴認める 毎日新聞(201757日)

JICA、シリア難民留学生入れ=院生20人、ヨルダン、レバノンで募集 時事通信(2017822日)

シリア難民留学生受入(第2年次)の募集開始:シリア難民に日本での教育機会を提供 JICA201798日)

 

番外編.難民参与員の認定意見の4割が不認定にされていることが判明

(説明)2013年~2016年に参与員のうち多数が「難民相当」とした31人のうち、法務大臣が不認定にしたケースが約4割の13人であった。2012年以前は全員認定されており、「参与員の意見を尊重」しているとは言い難い現況が判明した。

《関連報道》

難民「相当」を4割不認定 法相、有識者審査「尊重」せず 東京新聞(2017611日 朝刊)

《全難連資料》

難民審査参与員の多数/全員が認定相当と意見を出したものに対する法務大臣の判断

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認定

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4

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8

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14

13

3

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不認定

0

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0

0

0

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10

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2

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難民審査参与員の多数/全員が不認定相当と意見を出したものに対する法務大臣の判断

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不認定

127

183

300

230

325

635

790

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2112

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認定

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

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300

230

325

635

790

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1171

1763

2112

?

2016年
2015年(未確定)

2月 難民申請の「偽装」「濫用」「悪用」が各紙で報道される

2月 【ビルマ難民訴訟】難民参与員多数が認定意見で異議棄却のビルマ人男性が不認定取消しを求めて東京地裁に提訴

3月 【シリア難民集団訴訟】難民不認定のシリア人4人が認定を求めて提訴

3月 日本の難民認定の閉鎖性を国外メディアが報道

4月 東日本入管センターで被収容者らが長期収容等に抗議してハンスト

4月 公明党PTが難民制度改善と提言

4月 法務省が訟務局を設置。初代局長に判事。

4月 名古屋でネパール出身者初の難民認定

9月 西日本入管センター廃止

9月 簡易却下手続の導入

11月 国連難民高等弁務官が日本にもっと難民の受け入れと難民認定制度の見直しを要求

11月 イランを送還先と指定した強制送還を違法とした大阪高裁判決

12月 庇護希望者を含むバングラデシュ人22人をチャーター機で集団送還

2014年(未確定)

3月 2013年に難民認定数が1997年以来の1桁代。難民認定申請数は過去最多で3,000人を超える。

3月 入管収容中のイラン出身者とカメルーン出身者が相次いで死亡。10月には、全件収容主義と戦う弁護士の会「ハマースミスの誓い」設立。

4月 東京地裁でアンゴラ難民が勝訴(確定、難民認定)

6月 世界の難民・避難民の数が初めて5,000万人を超える。

7月 第6次出入国管理政策懇談会の難民認定制度に関する専門部会が「難民認定制度見直しのための議論の方向性の整理について」を報告

8月 今年も難民審査参与員の多数意見と異なる法務大臣の決定。ビルマ出身者について難民審査参与員の多数意見で認定も、異議棄却で人道配慮もなし。

8月 人種差別撤廃委員会が総括所見で難民認定制度について勧告。

9月 第三国定住受け入れパイロット事業の最終5年目で5家族24人を受け入れ。来年度から本格事業が開始。

11月 難民認定申請数が過去最多を更新。11月末で4,500人を超える。

12月 不認定庇護希望者を含むスリランカ出身者20人以上をチャーター便で一斉送還。

2013年
  • 難民認定水準が過去最低を更新 3月に法務省入国管理局により発表された資料により、2012年の難民認定水準が史上最低であった前年を下回り、過去最低水準を更新していたことが判明した。一次手続での難民認定率は、0.2%(認定数5人/処理数2198人)で1982年の制度開始以来の最低であり、また、異議は、認定率1.3%(認定数13人/処理数996人)で20055月に難民審査参与員制度が導入されて以降で最低の数値となった。
     2013年についても、ビルマ出身者の難民認定数の減少などから、更に認定水準が下がることが見込まれる。
    法務省入国管理局「平成24年における難民認定者数等について」(報道発表資料)2013319日。
  • 異議手続きの長期化。審尋まで3年以上のケースも 難民審査参与員制度の導入以降、異議手続が長期化を続けており、審尋まで3年以上かかっているケースも報告されている。参与員の増員などにより処理数は毎年増加しているものの、未処理数はそれを上回って増加している。2013年の年始時点で、3342人が未処理案件となっていた。
     一次手続きでの難民認定数の低さと不認定数の急増が異議の未処理数を増やす一因となっており、異議手続きの抜本的な改革だけでなく、一次手続きの改善も求められている。
  • アフリカ出身の難民認定が相次ぐ。ウガンダ出身者が大阪高裁で勝訴後、コンゴ民主共和国出身者が異議で難民認定など。 4月、ウガンダ出身の難民が大阪高裁で勝訴(判決日227日)し、その後難民認定を受けた。9月にはコンゴ民主共和国出身の難民が異議手続で難民認定を受けた。このほか、アフリカ東部の国の出身者が一次で難民認定を受けたとの情報もあり、一次手続きにおける難民認定の「アフリカ枠」が倍増したのではないかとの指摘もされている。
  • 今野東先生と本間浩先生が逝去 4月、難民問題への精力的な活動のほか、社会的弱者に対して暖かな視線と強い意志を持って活躍されていた今野東前参議院議員が65歳で逝去された。
     5月、難民法に関する多くの著書・論文を残し、NPO法人難民支援協会の上級顧問や難民研究フォーラムの代表などを務められた本間浩法政大学名誉教授が74歳で逝去された。
     日本の難民保護の精神的な要ともいえる2人を相次いで失った。ご冥福を心よりお祈り申し上げる。
  • 韓国で難民法施行 7月、東アジアで初となる独立した難民法が韓国で施行された。難民申請者が法的支援を受ける権利や就労する権利を定めており、認定手続や難民申請者の生活保障、難民認定者の社会統合政策などの改善が期待されている。
     韓国は、1992年に難民条約に加入し、日本の例にならって入管法に難民法を組み込んでいた。最初に難民申請を受理した1994年から2012年までの平均の難民認定率は12.4パーセントである。
  • 第三国定住難民受入れパイロット事業で2年ぶりに来日 9月、第三国定住パイロット事業で2年ぶりに第4陣として4家族18人が来日した。前年は第3陣が出国間際で辞退したために来日者は0人となっていたが、今回は対象キャンプを広げての実施となった。
     日本は、第三国定住による難民受入れを行ったアジアで初めての国である。パイロット事業は2014年で終了し、2015年からは本格に第三国定住難民の受入れが始まる予定となっている。
    内閣官房「第三国定住による難民の受入れの実施について」(閣議了解)2015124日[PDF]。
    内閣官房「第三国定住に関する有識者会議報告書」(本文)20151月[PDF同(概要)[PDF]。
  • 収容されたビルマ・ロヒンギャ庇護希望者が急死 11月、ビルマ・ロヒンギャ族の難民申請者が、東京入国管理局で再収容された当日にクモ膜下出血で倒れ、意識不明のまま病院に搬送されたが数日後に亡くなった。意識不明で倒れた後の入管における対応の遅れについて、批判の声があがっている。
  • 難民審査参与員の意見と異なる法相判断3 20055月から施行されている難民審査参与員制度において、法務大臣は、初めて、難民審査参与員の全員又は多数意見と異なり、難民と認めない判断をした。法務大臣が難民審査参与員の意見と異なる判断をした3件のうち、2件については在特を付与し、もう1件については、本国政府の保護を受けていると考えられるとの理由で在特も与えなかった。
     「公正中立な第三者機関」という位置づけの難民審査参与員の意見を無視又は軽視し、漫然と「他の類似事案と比較考量し」て判断する手法は、参与員が審査に加わる意味を否定することになるものと懸念される。
    全国難民弁護団連絡会議「近時の難民審査参与員の意見と異なる法務大臣の決定に関する声明」201312月。
    法務省「難民認定において法務大臣が難民審査参与員の多数意見と異なる決定をした事案に関する質疑について」(法務大臣閣議後記者会見の概要)20131217日。
       自由権規約委員会「規約第40(b)に基づく第6回報告」(CCPR/C/JPN/62012424日[PDF]。  
       拷問禁止委員会「拷問禁止委員会からの質問に対する日本政府回答」(CAT/C/JPN/22011718日[PDF]。  
  • 6次出入国管理政策懇談会に難民専門部会設置。難民保護制度についての議論がスタート。渡邉彰悟代表がメンバーに選出 11月、法務大臣の私的懇談会である出入国管理政策懇談会(親会)に「難民認定制度に関する専門部会」が設置され、全難連代表の渡邉彰悟弁護士が委員となった。4月か5月頃に中間報告が出され、年末頃まで議論が続く予定である。
     法務省が提案する主な論点は、複数回申請者や「濫用者」についての対策を施して難民申請者数を抑えることなどである。これに対し、親会メンバーからは、日本が難民受け入れの姿勢を国外に示すべきとの意見や、難民認定数の低さが日本のイメージの悪化につながるなどの指摘がされている。
    法務省「第5回「第6次出入国管理政策懇談会」 議事録」2013104日[PDF議事概要
    法務省「難民認定制度に関する専門部会について」難民認定制度に関する専門部会開催状況1回会合 議事概要[PDF
  • 名古屋に難民異議申立事務局を設置。難民審査参与員が75人体制に増員 難民異議申立数の増加とそれに伴う未処理案件の増加を受け、難民審査参与員が75人に増員された。特に名古屋入国管理局管内での異議申立数の増加が著しく、参与員名古屋班が2班に増やされ、難民異議申立事務局が設置された。 名古屋入管管轄地域においては、トルコ、パキスタン、スリランカ、ネパール出身者の難民申請数が多く、全体の8割を占める。
    法務省「難民審査参与員一覧」20131212日。
2012年
  • 2011年の難民認定率が過去最低 2月、2011年の難民認定に関する数値が法務省入国管理局による発表され、一次手続きの難民認定率が0.3パーセント、異議手続きでの認定率が1.6パーセントといずれも過去最低水準であることが明らかとなった。
    2011年の難民統計に関する全難連声明~過去最低の難民認定率をうけて 全難連(2012年4月)
    平成23年の難民認定者等について 法務省入国管理局(2012年2月) 
  • ウガンダ難民事件で初の勝訴判決 2月、大阪地裁に係属していたウガンダ出身の難民事件で、ウガンダ難民事件では初の勝訴判決がだされた。事件は、国側が控訴し、2013年2月に高裁判決が出される予定。
  • 法務省入国管理局、日弁連、なんみんフォーラム(FRJ)が覚書締結 2月、上記三者が官民連携によって難民認定手続等を改善すべく覚書を締結した。覚書に基づき、収容代替措置に関するパイロットプロジェクトなど、三者の協働による取り組みがすすめられている。
    覚書本文(2012年2月12日)
    難民認定手続等に関する市民団体との協力関係に係る覚書について 法務省入国管理局(2012年2月10日)
  • 名古屋難民支援室設立 7月、東海地域での難民申請者の急増を受け、難民支援協会と全国難民弁護団連絡会議の協働により名古屋難民支援室が開設された。全ての庇護希望者にとっての支援の入口となるべく、英語名をDoor to Asylum Nagoya(DAN)とし、支援者や支援団体とのネットワークを構築しながら、地域の特色を活かした支援体制づくり中。
    名古屋難民支援室の解説のお知らせ 難民支援協会(2012年7月10日)
  • 新在留制度開始 7月、1947年以来の在留管理制度が終わりを告げ、入国管理と在留管理が一元化された新在留制度が導入された。難民認定者の在留資格が定住者5年となり、また、難民申請中の仮滞在者が住民登録の対象となって健康保険加入資格が与えられるなど前向きな変化がある一方、被仮放免者については身分を証明できるものがなくなり、基本的な社会サービスへのアクセスが困難になっていると懸念されている。
     尚、難民認定申請書も改訂されてこれまでの9ページから12ページとなり、家族欄の記載が細かくなったほか、迫害の主体や迫害の恐怖を感じ始めた時期を書く項目などが追加された。
  • ルワンダ難民初認定 9月、名古屋でルワンダ出身者が初めて難民認定された。異議手続きでの認定であり、一次不認定処分に対する不認定取消訴訟中であった。
  • ロヒンギャの高裁判決 9月、東京高裁に係属していたビルマ・ロヒンギャ難民集団訴訟で判決が言い渡された。裁判所は、1人については難民性を認めたが、残り16人については難民性を認めなかった一審を維持した。判決は、ミャンマーで法的に無国籍とされているロヒンギャについて、ミャンマー国籍を有すると独自に認定した。
  • 第三国定住、第三陣ゼロ 9月、タイ難民キャンプからビルマ難民を受け入れる第三国定住のパイロットプログラムの3年目について、希望者がゼロになったと発表された。今回の原因の究明と分析をすすめるとともに、支援のあり方や対象者の選定基準の見直しが求められている。
    FRJプレスリリース FRJ(2012年10月1日)
    第三国定住第3陣の受け入れゼロの内閣官房発表に対して 難民支援協会(2012年9月25日)
  • ホームレスとなる難民申請者が増加 支援が追いつかずにホームレスとなる難民申請者が増加している。路上生活には厳しい冬を迎え、緊急対策が必要となっている。
    記事「外国人難民申請者がホームレスに 過去最多で支援遅れ」 共同通信(2012年12月10日)
  • 難民申請者数が過去最高の見込み 2012年、難民申請者数が2000人を超えて過去最多になった。詳細は来年の法務省発表まで不明であるが、ビルマ出身者の難民申請数が減った一方で、スリランカ、トルコやアフリカ西部の国々の出身者からの申請数が増加しているものと見られている。申請の地域で見ると、東京入管横浜支局や名古屋入管が管轄する地域での申請が急増しているとみられる。

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2011年

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2010年
  • 伊藤和夫代表が逝去  長年にわたり人権活動に活躍されてきた伊藤和夫先生が2010年7月14日に逝去。5月の『伊藤和夫先生弁護士50周年記念論文集‐日本における難民事件の発展と現在』(現代人文社、2010年)の出版記念パーティーから2ヶ月足らずの悲報だった。
     全国難民弁護団連絡会議の代表のほか、在日ビルマ人難民申請者弁護団、クルド難民弁護団、アフガニスタン難民弁護団などの代表も務めた。享年81歳。
    渡邉彰悟、大橋毅、関聡介、児玉晃一編 『伊藤和夫弁護士在職50周年祝賀論文集‐日本における難民訴訟の発展と現在』 現代人文社 2010年
    記事:伊藤和夫氏死去 元袴田事件弁護団長 共同通信(2010年7月15日)
  • 第三国定住のパイロット・プロジェクトを開始  2008年12月の閣議了解を受け、3年計画約90人の第三国定住パイロット・プロジェクトでの受け入れを開始。9月と10月にタイのメーラ難民キャンプからビルマ・カレン族家族27人が来日した。
     公費による定住支援は6ヶ月間で、日本語教育のほか、日本居住に必要な生活基礎知識の研修を実施。
     語学研修の期間等でインドシナ難民受け入れの反省点が十分に活かされていないとの指摘があるほか、同じ人道配慮での庇護にも関わらず日本で難民認定申請をして人道配慮在特を受けた者が定住支援を受けていないといった支援格差の問題もある。
    閣議了解「第三国定住による難民の受入れに関するパイロットケースの実施について」 内閣官房(2008年12月16日)
    難民対策連絡調整会議決定「第三国定住による難民の受入れに関するパイロットケース実施の具体的措置について」 内閣官房(2008年12月19日)
  • 鶴見大学が庇護希望者への歯科治療プロジェクトを始動  2月、鶴見大学歯学部とUNHCR駐日事務所が、庇護希望者への無料歯科治療の提供プロジェクトを立ち上げ。難民支援のNGOが協力して運営している。プロジェクトは毎週1回の治療日に加え、緊急ケースにも対応している。
     鶴見大学は、歯科治療を受けにくる庇護希望者の交通費確保のための難民ランチの実施など、積極的に支援活動を展開している。
    「鶴見大学との歯科治療プロジェクト始動」 UNHCR(2010年2月23日)
  • 「難民研究フォーラム」設立  日本における難民専門の研究機関として7月に設立。これまであまり注目されてこなかった日本の難民研究の活性化とともに、判例研究等での法曹界との化学反応が期待される。
    難民研究フォーラムHP
  • 難民保護費の問題  難民申請者の唯一の生活支援金である難民保護費が、昨今の厳しい財政状況の中、2010年度予算で1億円以上増額された。しかし、受給希望者の増加や高額医寮費の出費で予算枯渇のおそれがつきまとっている。また、法的根拠のない保護費の予算を確保する上で、迅速性よりも濫用者の排除を優先することから、申請から支給までの期間の長期化(2ヶ月以上。平均4ヶ月とみているNGOもある。)という問題も生じている。待機者への生活支援はない。
     国民健康保険への加入などを含む包括的な難民申請者の支援体制の構築が必要。
    「難民申請者の生活保障のための措置を求める申入れ」 難民支援NGO9団体(2010年9月7日)
  • 庇護希望者の収容  入管施設に収容中の庇護希望者を含む者らが西日本で3月に、東日本で5月にそれぞれ処遇改善や長期収容者の仮放免などを求めて給食拒否を実施した。事件は国会での質疑や、国会議員による収容施設の訪問に発展。西日本では、ハンスト後に体調不良者の仮放免が相次いだとの報道があった。
     一方、5月に韓国で収容代替措置(Alternative to Detention)に関する国際会議が開催され、日本の法務省のほか、全難連やJARなどのNGOが参加した。7月に入国者収容所等施設委員会が設置され、被収容者の状況等を監視する新たな制度がスタートした。また、法務省と日弁連の定期的な協議の場が設けられ、収容や仮放免などについて意見を交わしている。
    記事「西日本管理センターでハンスト 仮放免求め約70人」 共同通信(2010年3月11日)
    記事“Inmates on hunger strike in Japan immigration centre” AFP(2010年5月19日)
    「5 入国者収容所等視察委員会の設置」 法務省HP
  • 福岡で連続勝訴 福岡難民弁護団が扱う難民事件で、3月にカチン族男性とロヒンギャ族男性が、4月にロヒンギャ族男性が地裁であいついで勝訴。カチン男性は、地裁で勝訴が確定し、難民認定を受けた。ロヒンギャ男性はいずれも控訴され、現在福岡高裁に係属中。
    事件番号: 平成19年(行ウ)第8号
    裁判所: 福岡地方裁判所
    判決日: 2010年3月8日
    《判決全文へジャンプ》
  • エチオピア難民不認定取消訴訟で一審勝訴 エチオピア出身の女性について、本国での政治活動等を理由にした迫害のおそれを認めた判決。地裁で勝訴が確定し、難民認定。東京地裁・民38部 2010年10月1日判決
  • ロヒンギャ集団訴訟で判決 2007年から提訴していたロヒンギャ難民の事件(東京20人、大阪6人、福岡3人)で、あいついで判決が出された。東京では2人が勝訴し、18人が敗訴するという結果となった。敗訴の18人は控訴した。勝訴の2人は勝訴確定後2011年1月に難民認定を受けた。
    事件番号: 平成17年(行ウ)第472号外
    裁判所: 東京地方裁判所
    判決日: 2010年10月29日
    《判決全文へジャンプ》
  • 無国籍難民の退令を違法とする判決 タイ生で生まれ育ったベトナム難民の2世について、ベトナムを国籍国と認定した上、ベトナムを送還先とした退去強制令書の発付処分を違法とした判決。裁判所は、当事者はベトナムに送還されることの認識なく口頭審理を放棄したため、かかる口頭審理放棄は無効であるとし、また、当事者の国籍国がベトナムであるとは証拠上明らかではなく、送還先をベトナムとしたことについても適法性に疑問があると判示した。国が控訴したが、高裁でも一審の判断が維持された。

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2009年
  •  難民審査参与員の大幅な増員  難民異議手続の未処理数の増加と審査期間の長期化に対応するため、難民審査参与員の数を倍増することに決まった。増員は2段階で、2009年12月に12人、2010年5月に15人が新たに加えられた。難民認定申請から異議申立手続で決定が出るまでの平均期間は、2007年は602日(187件)、2008年は766日(317件)と長期化傾向にあり、2009年(258件)も前年より若干長期化している。
    難民審査参与員を大幅増へ 法務省、認定の迅速化図る 共同通信(2009年10月14日);参議院法務委員会質疑(2009年3月17日);参議院法務委員会質疑(2008年3月25日)]
  •  アフリカ出身の難民認定申請者数が増加  アフリカ出身の庇護希望者による難民認定申請数が、2008年から増加傾向にある。2009年は、特にアフリカ中央部出身の難民認定申請者の増加が目立った。
  •  難民認定数/難民認定率が大きく減少  2009年中に難民認定を受けた者の数(30人)が、一次手続と異議手続のいずれにおいても前年からほぼ半減した。一方、難民不認定の処分をした数も増加しており、難民認定率も減少。特に、一次手続の難民認定率は1%前半にまで下落した。
     [難民認定3分の1に激減 1~9月、申請は最多に 共同通信(2009年12月20日)]
  •  人道配慮による在特が増加  難民認定数が減少したのと対照的に、人道配慮による難民不認定者への在特の数が500人を超え(501人)、2008年(360人)以降の高い水準をキープしている。この人道配慮の増加は評価すべきものではあるが、これらの人道配慮を受けた者の中に「難民」が相当数含まれているであろうことは留意されなければならない。難民認定率の低さと併せて考慮すると、日本政府の極めて狭い「迫害」の解釈により、本来ならば難民認定されるべき者が人道配慮しか与えられていないことが、少ない難民認定数と多い人道配慮という現象の理由の一つになっていると推測される。
  •  難民申請者の困窮が深刻化  不景気のあおりで職に就けない難民認定申請者が増加する中、セーフティーネットであった難民保護費の支給が厳格化され、100人以上が支給を打ち切られた。緊急対策として、全難連を含む難民支援NGO7団体が、4月から難民カンパ・キャンペーンを実施。その後、10月に支給制限が取り除かれ、外務省の働きなどで2010年度の保護費予算は倍増した。しかし、法的根拠の不在、変動する難民申請者数への対応、(再申請をしていない)裁判中の難民申請者への支給など、解決すべき問題が依然として残されている。
     [難民申請者の生活保障のための措置を求める申入れ 難民支援NGO5団体
  •  第三国定住の受入れ準備  2010年秋に受け入れ開始に向け、アジア初の第三国定住のパイロットプロジェクトの準備が進められた。受入れ後6ヶ月以降の支援体制など、残された課題も多い。
  •  庇護希望者の収容が増加  6‐7月頃から、難民手続の決定を待たずに退令発付を受けて収容されるなど、難民申請手続中の収容が増加した。また、異議手続中(口頭意見陳述前)の仮放免更新時に更新不許可とされて突然収容されるケースもあり、従前にない不均衡な運用に対し、難民申請中の者の不安が増大している。
  •  裁判準備中の庇護希望者を本国に強制送還  難民不認定処分に対する訴訟準備中のビルマ少数民族出身の庇護希望者が、裁判をする意思を入管側に伝えていたにも関わらず、出訴期限を待たずして本国に強制送還された。これは裁判を受ける憲法上の権利の侵害であり、勝訴して難民認定を受けるビルマ出身者が相当数いることなどを考慮すればより一層、許容されえない暴挙であったといえる。
     [抗議書 在日ビルマ人難民申請弁護団(2009年11月4日)]
  •  人道配慮「特定活動」のビルマ出身男性が自殺  人道配慮による在留特別許可(「特定活動」)を受けていたビルマ少数民族出身の男性が、精神的な不安定、身体の不調、経済的な不安などを理由に自らの命を絶った。友人と家族によると、この男性は家族呼び寄せができないことで希望を失っていたという。人道配慮による在特では、在留期間などに応じて「定住者」または「特定活動」が与えられる運用がされている。この事件は、同じく人道配慮で在留を認められたにも関わらず、様々な点で不利な「特定活動」についての問題を浮き彫りにした。
     [「定住者」求め集団申請 難民不認定の37人 共同通信(2009年12月14日)]
  •  政権交代で積極的な難民政策への転換の期待が高まる  2002年の瀋陽事件以来活躍してきた議員らが法相や政務官に就任するなどの動きに対し、新政権への期待が高まった。

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2008年
  •  難民申請者数が急増、1500人超
  •  ビルマ人難民申請者を中心に人道配慮に基づく在特付与が急増
  •  ビルマとその他の出身国の難民申請者との認定基準のダブルスタンダード化が鮮明に
  •  在タイ難民キャンプから第三国定住受け入れ試行を決定、3年間で100人
  •  難民・庇護希望者のためのRHQ保護費が枯渇
  •  難民審査参与員棄却ケースで逆転勝訴3件
  •  東京で初の高裁逆転勝訴
  •  トルコ出身クルド人一家に在特
  •  不況で難民・庇護希望者の解雇が相次ぐ
  •  自由権規約委員会が日本の難民認定制度に勧告

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2007年
  •  拷問禁止委員会が日本の難民行政について勧告
  •  裁判所が難民と認めたアリ・ジャンに、在留特別許可出る
  •  しかし、再び難民不認定処分
  •  北朝鮮脱出漂着者、政治判断で韓国へ
  •  難民審査参与員が第二期目に突入
  •  福岡ビルマ弁護団結成
  •  ロヒンギャ民族の難民不認定取消に係る集団訴訟を東京、大阪、福岡で提起
  •  異議申立手続き段階での一次申請手続きの本人尋問の調書開示を開始
  •  全難連10周年
  •  9年以上の長期未済案件が判明
  •  日本政府が第三国定住に向けて始動

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2006年
  •  シンポジウム開催される  11月2日、日弁連が「改正難民認定制度施行後 1年を振り返って~難民鎖国は開かれたか~」と題するシンポジウムが開かれた。新法施行後の難民認定制度について、その運用状況につき事前に行ったアンケートを発表、日弁連がまとめた意見書を紹介した(意見書は日弁連HPに掲載)。さらに、パネルディスカッションではUNHCR、難民審査参与員、法務省入国管理局付検事、日弁連人権擁護委員会難研委委員長が初めて一同に介し、参与員制度のあり方、求められる適正手続や仮滞在の運用状況につき激論を交わした。
  •  高裁勝訴判決続く  昨年の大阪高裁、東京高裁に引続き、今年も、東京高裁(3月ビルマ、8月ビルマ、9月アフガン)と名古屋高裁(7月クルド)で、難民関連裁判の勝訴判決が相次ぎました。地裁段階だけでなく、高裁段階でも、難民裁判で勝訴できることが定着しつつあります。
  •  マニュアル刊行  
  •  ナンセン人権賞を日本人が受賞  
  •  グテーレス難民高等弁務官来日  
  •  クルド、アフガン確定  6月27日大阪高裁でアフガン難民に、6月30日名古屋高裁でクルド難民にそれぞれ難民不認定を取り消す判決が言い渡され、上告されることなく確定した。アフガン、クルドとも、高裁段階で勝訴し、確定したのは初めて。アフガン難民では、9月13日に東京高裁でも勝訴判決が言い渡され、確定した。しかし、入管は再調査すると言い、年末に至るまで認定されていない。
  •  難民申請者激増  
  •  収容状況の悪化:空港収容激増、大村収容増加  
  •  仮滞在運用悪化  難民申請者の法的地位の安定を目的として導入された仮滞在制度であるが、最近、仮滞在許否の判断の審査期間が長期化し、上陸許否の判断も仮滞在許可の判断もされないまま事実上空港のホテルに留め置かれたり、仮滞在の不許可事由がないのに収容令書で収容されるなど、難民申請者の身柄拘束が長引く事例、さらに、「逃亡のおそれがある」という理由のみで仮滞在が不許可にされる事例など、制度趣旨を没却するような運用が多発している。
  •  参与員制度1年経過、問われる専門性  2005年5月からはじまった難民認定異議手続における難民審査参与員制度が1年を経過した。しかし,研修の実態も見えず,難民認定そのもののあり方について専門性を向上させている徴候もみられない。特に審尋における質問内容が難民性の認定にとっての中核的な部分に及ばず,周辺的な事情や重要でない事実の信憑性を問題にされたりなどその専門性に疑問が投げかけられている。

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2005年
  •  難民審査参与員制度始動!はじめての第三者関与  1982年の難民認定制度開始以来初の本格的改正によって、異議申立手続に難民審査参与員が諮問委員として参加することになりました。初めて第三者が手続に参加することで、客観性の向上に期待が寄せられています。
  •  UNHCRマンデート難民カザンキラン退去強制  UNHCRが難民として認定していた父子が、強制退去されました。難民すらも退去しようとする入管の姿勢には内外の批判が集中しました
  •  大阪・東京高裁で難民裁判勝訴  地裁段階では2004年まで多数の勝訴判決が蓄積されていましたが、2005年ようやく6月に大阪高裁で(しかも逆転勝訴!)、12月には東京高裁で(こちらは地裁判断の維持)、それぞれ壁を突破しました。
  •  難民認定数増加(現時点で40名を超えているようです)   これまで最高で26名という数字に留まっていた年間認定数が、2005年は45名以上となっているようです。2004年に比べても3倍の数字となっており、今後のさらなる増加に期待をしたいと思います。
  •  アフガニスタン人難民申請者アリジャン勝訴  東京地裁民事38部において、アフガニスタン人アリジャンさんが難民として認定され勝訴しました。しかし、これを不服として法務省は控訴しており、今後控訴審の動向が注目されます。
  •  全難連による参与員ボイコット運動 適正手続を訴える  全難連では、難民認定手続の第一次手続段階の資料の開示など適正手続の保障を求め、やむを得ず新制度のボイコットに踏み切りました。その後、入管との間で、不認定理由の詳細化、入管と全難連との定期的協議の機会の設置などを確認し、9月から手続に参加しています。
  •  難民申請者の収容が全体として減少傾向に   これまで退去強制手続が難民認定手続と別に進められ、申請者の収容は非常に大きな問題とされてきました。改正に伴う「仮滞在許可制度」や認定手続中の退去不執行等の効果とともに、これまでのUNHCRからの要望がようやく実になったのでしょうか。
  •  就労禁止条件を付されたKKO(ビルマ人難民申請者)収容される  これまで黙認状態であった難民申請者の収容問題に、初めて入管側が就労禁止条件を付し、生存のために働かざるを得なかったKKOさんは仲間の見詰める中収容されていきました。申請者の生存権の保障をどうするのかが、これからの課題です。
  •  広島アジズ民事初勝訴  刑事事件で難民該当性が認められたアブドゥル・アジズさんについて、広島地裁は、3月、行政事件で再度難民該当性を認めました。にもかかわらず、法務省はこれを不服として控訴し、現在、広島高裁で審理が行われています。
  •  東京入管前キャンドル人文字「ともだち」,難民申請者励ます  3月、約400人が集まり、東京入国管理局前の公園で、強制収容されている外国人らを元気づけるため、コンサートを開きました。夜になると、参加者はキャンドルを手に持ち、多文化共生の願いを込めて人文字「ともだち」を作りました。
番外 日弁連、法務省によるトルコ現地調査に「警告」
年末に飛び込んだニュースです。トルコ出身クルド人難民申請者の身分を明らかにする形で法務省がトルコ当局に照会し現地調査を行っていた問題で、日弁連は12月26日、クルド人9名の人権救済申立てを認め、「新たな迫害のおそれがあり重大な人権侵害行為だ」として「警告」を出しました。

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