声明・提言等(2021年7月22日)全難連より日本政府等宛ての申入書「オリンピック・パラリンピック関係者の難民申請対応に関する申入書」を発表しました。

オリンピック・パラリンピック関係者の難民申請対応に関する申入書[PDF]

日付:2021年7月22日

団体:全国難民弁護団連絡会議

<申入書 ▽>

    オリンピック・パラリンピック関係者の難民申請対応に関する申入書
    東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会御中
    内閣総理大臣殿
    法務大臣殿
    総務大臣殿
    警察庁長官殿
    都道府県公安委員会 御中
    2021年7月22日
    全国難民弁護団連絡会議 代表 渡邉彰悟
    以下のとおり申し入れます。
    申入れの趣旨
    1 オリンピック・パラリンピックで来日した選手や関係者(以下「選手等」といいます。)が難民申請の意向を示した場合には、本国大使館の職員と直接の接触をさせないこと
    2 地方出入国在留管理局以外の公的機関が選手等の難民認定申請の希望を把握した場合には、地方出入国在留管理局への難民認定申請の機会を保障するか、少なくとも次のこによって難民としての審査を受ける機会の保障のための最大限の援助をすること。
    (1)当連絡会議その他の弁護士、ないし適切な難民支援団体に連絡をすること。
    (2)選手等が公的機関において保護されているなど公的機関に所在するときに、代理人となる可能性のある弁護士や難民支援団体の職員(以下「弁護士等」といいます。)が選手等に面会を申し込んだ場合には、当該公的機関の長は、選手等と弁護士等とが直接面談をする機会を設けること
    3 ジュリアス・セチトレコ選手の帰国後におけるウガンダ政府による処遇・対応について追跡調査を行うこと
    申入れの理由
    第1 【事実経過】
    1 報道によれば、2021年7月16日、ウガンダ選手団の一員であるジュリアス・セチトレコ選手(以下「本件選手」といいます。)が東京オリンピックの事前合宿所から失踪しましたが、同月20日に発見されたところ、翌21日に同人は東京都内の渋谷警察署において難民申請の意向を示したものの、ウガンダ大使館の担当者による説得を受け、帰国に同意し、同日夜成田空港から帰国の途についたとのことです。*1*2
    2 7月21日午後3時少し前、報道を見た当連絡会議世話人の児玉晃一弁護士が渋谷警察署を訪れ、難民申請の援助をするべく、本件選手との面会を申し入れました。ですが、対応した大阪府警警部補は「難民申請はしていない。(「本件選手がここにいるのか、どこの空港に行くのか、児玉が面会したいと申し入れたことは伝えてもらえたのか」との問いに対して)それ以外のことは一切答えられない」として、面会の取次すらしてもらえませんでした。
    第2 【あるべき対応】*1https://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye4320186.html
    *2https://www.news24.jp/articles/2021/07/21/04909633.html
    *3アメリカ合衆国国務省が作成したウガンダの人権状況レポートにおいては、ウガンダ政府の治安軍が反政府活動と
    見なした者を恣意的に殺害するケースが複数報告されています。
    https://www.state.gov/reports/2020-country-reports-on-human-rights-practices/uganda/
    1 本件選手の直接的な動機は明らかではありませんが、難民認定申請の意向を有する者には、難民としての審査を受ける機会を保障しなければなりません。
    残念ながら世界には、独裁的・抑圧的な政権が多く存在しており、政治的意見を異
    にするとみなされただけで、恣意的な処罰などを受けている現状があります
    *3。本国の情勢によっては、オリンピックの代表選手として派遣されながら、一度は失踪したという事実をもってして、反政府的な活動をしたと見なされ、本国に帰国した場合に過酷な処罰等をされる危険も、ありうることなのです。
    2 このような状況下において、選手等が難民認定申請の意向を示した場合に、本国大使館の担当者に面接させ、大使館担当者が翻意を促すに任せることは、あたかも、警察に保護を求めたDV被害者を、加害者自身に会わせ、家に戻るための説得を許すのと同じであり、あってはならない対応です。
    3 特に、今回のオリンピック・パラリンピックは、難民チームが参加することによって、難民支援の理念をも掲げるものとなっています。
    その同じ場で、難民として保護を求める機会を奪うような扱いがあってはならない
    のではないでしょうか。
    4 難民問題は専門性が高く、全ての関係者において十分な対応を採るリソースを期待することが困難であることは十分理解できます。
    そこで、地方自治体や警察署含む関係各所において、少なくとも申入れの趣旨記載
    のとおりの措置を講じられるよう、ここに申し入れる次第です。
    申入れの趣旨「1」記載の「適切な難民支援団体」は、例えば以下のとおりです(協力要請があった場合の対応が可能であることについては、了承済み)。
    ・全国難民弁護団連絡会議
    〒160-0004 東京都新宿区四谷1-18-6 四谷プラザビル4階いずみ橋法律事務所内
    Tel.03-5312-4827 Fax. 03-5312-4543 25
    ・特定非営利活動法人難民支援協会
    〒101-0065 東京都千代田区西神田2-5-2 TASビル4F
    Tel.03-5379-6001 Fax.03-5215-6007 営業時間: 月~金 10時~18時
    5 また、本件選手がウガンダ帰国後に本国政府からどのような処遇・対応を受けたのかについては、日本政府は難民条約加入国としてその責務を適切に果たしたか検証するため、最低限追跡調査をするべきであると考えます

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