法相会見(2021年8月31日)名古屋出入国在留管理局被収容者死亡事案に関する質疑について;無国籍の子の国籍取得に関する質疑について;在留アフガニスタン人への在留資格上の特別措置等に関する質疑について

法務大臣閣議後記者会見の概要「名古屋出入国在留管理局被収容者死亡事案に関する質疑について」「無国籍の子の国籍取得に関する質疑について」「在留アフガニスタン人への在留資格上の特別措置等に関する質疑について」(2021年8月31)(外部リンク:法務省ウェブ

名古屋出入国在留管理局被収容者死亡事案等に関する質疑について 

【記者】
 先週,在留許可を申請しているすい臓がんのペルー人の男性が,大阪出入国在留管理局に収容中だったのですけれども,去年5月に仮放免をされまして,現状,がんを患ってすい臓がんだったということで,退去強制令書が出ているのですけれども,御家族の方々,御本人も,強く,病気の治療を受けられるように,在留資格を付与してほしいということを言っています。この点についてどう対応するかという点。
 それからスリランカ人女性の件ですけれども,第三者,有識者一覧の中にいる元高裁判事の方なのですが,かつて2014年,千葉地裁が出した中学生に対する強姦罪で,1審の4年6か月の実刑判決を無罪にするという判断を下しておりました。
 それから,IOM職員,匿名になっているのですが,調べたところ,法務省から委託事業を行っていまして,帰国支援で1100万円の予算がついているという状況でした。大臣,このことは知らなかったのではないかと思うのですが,特にIOMに関しては利益相反関係に当たるような方を有識者として法務省が指名していたこと,これをどう受け止めるかという点。
 それともう1点,2月15日の尿検査の結果が中間報告で出されなかったことが意図的ではないかという批判が出ています。取材をしたところ,「電子カルテではなかったのだが,カルテと検査結果はフォルダを分けていた。他の検査結果は全て出ていたのだが,なぜか,その2月15日の重要な尿検査の結果だけは,複写を忘れていた。」と職員が言っていたということです。非常に重要な2月15日の結果,受け止めていなかったことが問題視されていますが,これも複写をし忘れていたから中間報告には出せなかったというこの話自体,大臣として,疑問を含めて,どういうふうに受け止められているか,それをお願いいたします。

【大臣】
 まず,ペルー人の方に関する御質問ですが,個別の事案でございますので,お答えについては差し控えさせていただきたいと思います。
 一般論として申し上げますが,退去強制令書の発付処分を受けた者につきましても,その後の事情変更を理由に,在留特別許可をすることがございます。
 その場合,在留特別許可の許否の判断は,個々の事案ごとに,在留希望の理由や家族関係,素行,当該外国人の病状等,諸般の事情を総合的に勘案して適切に判断するということ,これがルール,原則でございます。
 詳細につきましては,出入国在留管理庁にお尋ねいただきたいと思います。
 2点目ですが,有識者について,個別の言及がありました点については,お答えを差し控えさせていただきたいと思います。
 有識者の方々には,専門的な知見に基づき,それぞれ公正な判断をしていただいた状況と考えているところです。

【記者】
 利益相反関係は問題ないという御認識でよろしいでしょうか。

【大臣】
 今回の案件について,しっかりと,専門的立場から,公正に判断していただいたことが極めて重要な点であると,私は受け止めているところです。
 3点目ですが,調査報告書について御指摘のありました点は,中間報告後の更なる調査の中で発見され,記載するに至ったものです。
 今回の調査に当たり,関係者の皆様からの聴取や入手可能な関係記録を精査して詳細な事実関係を確認した上での報告ですので,調査報告書には確認できた事実が網羅されていると理解しております。

無国籍の子の国籍取得に関する質疑について 

【記者】
 以前の8月3日の記者会見で,無国籍について,その後のフォローアップについて御発言いただき,「国籍取得に関する状況を把握し,進捗を確認できるよう情報を一元的に管理し,PDCAのサイクルをしっかり回して対応したい。」とおっしゃっていたと思うのですけれども,この一元的な管理ということをどういう部署で担われるのか,どんな情報が対象になるのか,どういうような具体的なイメージがあるのか教えていただけたらと思っているのと同時に,この問題は他省庁にも絡む問題,厚労省ですとか外務省ですとかあると思うのですが,周知や連携の状況がもしあるようであれば教えていただけますでしょうか。

【大臣】
 無国籍の問題につきましては,かねてから非常に高い関心をもって取り組んでまいりました。
 先般,御質問もいただきましたが,私としては,出入国在留管理庁に対し,正確な実態把握に努めること,その情報については一元的に管理すること,更にPDCAサイクルをしっかりと回しながら取り組み,問題の解決を図っていくことを指示しているところです。
 この指示を受け,出入国在留管理庁の在留管理支援部において,出生時に国籍が特定されておらず無国籍と登録され,無国籍の状態にある子,あるいは在留カードには特定の国が記載されているものの,国籍取得の手続が未了のため実際には無国籍となっている子について,定期的にデータを抽出・整理をすること,その後,時間の経過に伴い成長し,また,様々な手続が執られるわけですので,時間の経過に伴う国籍取得手続の推移をしっかりと把握すること,そして,それらを踏まえ,引き続き無国籍となる原因・理由についての分析をしっかりと行うことがPDCAのベースになると考えています。
 いずれも情報を一元的に管理・分析することが極めて重要であり,また,これらの取組の効果を確認した上で,実際にそれを問題解決に反映させていくため,手続過程の中でどのような形で連携を取っていくのか,漏れなく無国籍の問題を発見できるようにしていくのかという視点も必要であり,正に様々な機関と連携をしていく必要があると考えております。
 特に地方官署に対しては,各種申請者が無国籍状態にあることが判明した場合には,駐日大使館や本国の行政機関における手続が極めて重要であるため,その案内をすることなど,窓口における基本的な対応の徹底をしっかりと指示しました。
 無国籍の方々が直面する具体的な問題については,国籍の有無のみならず,それに関わる様々な課題・問題があると思われ,そうした点についても,しっかりと把握していくことが重要ですので,関係機関との連携や周知・広報にも徹底して取り組んでまいりたいと考えています。

アフガニスタン情勢等に関する質疑について 

【記者】
 アフガニスタン情勢に関連して質問したいのですが,今カブールから空路で日本に来るということは非常に難しい状況になっていますけれども,これからアフガニスタン,それからパキスタンの国境を越えて,イスラマバードの日本大使館に行って庇護を希望したり,それから,家族の呼び寄せ等で日本から外務省等に相談があるようなケースが出てくると思います。既にそういう動きをされているアフガニスタンの方もいらっしゃいます。
 それに対応して,外務省と今どのような連携を取って,そういった方のアフガニスタンから外に,国境を越えた方の受入れ等について,在外大使館等に何か相談していることがあるのかということが1点。
 それから2001年に,アフガニスタンの難民の方がたくさん日本に来たのですけれども,空港で上陸拒否され,入管で長期収容をされたり,それから,中には日本国内で難民申請したにもかかわらず,今度は警察によって治安テロ対策ということで逮捕勾留されて入管に回されたというケースがたくさんありました。それは非常に問題になったのですが,そういったことが起きないように,今関係省庁とどのような対策を講じていらっしゃるのかについて伺いたいので,よろしくお願いします。
 あともう1点ですが,これはいわゆる難民の緊急避難措置みたいなことになると思うのですけど,ミャンマーの人についても,全く今のところ,仮放免状態の人とか,要するに退去強制令書が一旦出てしまった人とか,難民不認定になった人の対応が,6か月以上の特定活動だと思うのですが,全く進んでいない状態です。
 今個別の事案に鑑みてということで,在留特別許可にしても難民認定にしてもやっていらっしゃると思うのですが,それでは全然緊急対応にならないので,それの対応,それからアフガニスタンの日本に庇護を希望される方,日本に来られたい方の対応について,日本国内のアフガニスタン人にも動きがあるので,その辺の受入れの体制について,今どのような状況なのかお伺いします。

【大臣】
 まず,アフガニスタンについてですが,今,情勢は大変緊迫している状況です。
 現時点におきましては,情勢が大変に流動的であるため,情報収集をしっかりとしていかなければならないということで,それに努めているところです。
 日本に退避を希望し,あるいは日本に退避してきたアフガニスタンの方々については,十分にその置かれた状況,立場を斟酌して対応すべきであり,政府全体として検討していく必要があると考えているところです。
 法務省としましても,今後のアフガニスタンにおける情勢の変化などをしっかりと踏まえながら,関係省庁と緊密に連携した上で,日本に退避してきた方々の人権に最大限配慮しながら,適切に対応してまいりたいと考えています。
 ミャンマーの方々の緊急避難措置については,8月27日時点で,全国で約2,100件を許可していると報告を受けています。
 在留ミャンマー人の方々から難民認定申請がなされた場合については,当該外国人の方が正規在留者であるか非正規在留者であるかにかかわらず,申請者ごとにその申請内容を審査した上で,難民条約の定義に基づき,難民と認定すべき者を適切に認定をすることとしております。
 また,難民認定申請中の方が非正規在留者である場合,在留資格に係る判断は,法令上,難民該当性に係る判断と併せて行うこととされているところです。
 在留特別許可の許否判断は,収容中又は仮放免中にかかわらず,個別の事案ごとに,在留を希望する理由,家族関係,素行,当該外国人の本国情勢等,諸般の事情を総合的に勘案して行うものであり,その許否については,適切に判断してまいりたいと考えています。

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