声明・提言等(2022年8月10日)全難連より「トルコ国籍クルド人の初めての難民認定に関する声明」を発表しました

トルコ国籍クルド人の初めての難民認定に関する声明[PDF]

日付:2022年8月10日

団体:全国難民弁護団連絡会議

提出先:法務省、出入国在留管理庁

テキスト 

トルコ国籍クルド人の初めての難民認定に際しての声明

 法務大臣は、本年8月9日、トルコ国籍クルド人男性の難民の地位を認めた。この男性は、本年5月20日の判決で札幌高等裁判所が難民該当性を認め、難民不認定処分の取消が確定していたが、トルコ国籍のクルド人で法務大臣が難民と認定した最初の者となった。

これまで、法務省及び出入国在留管理庁は、トルコ国籍クルド人の庇護希望者について、トルコにおけるクルド人に対する人権侵害の報告について十分な評価をせず、クルド労働者党(PKK)に対する支援を理由とする取調べや身柄拘束に伴う拷問の実施状況を認めず、難民該当性を認めてこなかった。

本年5月20日の札幌高裁判決は、客観的な出身国情報に基づき、トルコにおけるPKKとの関連を疑われたクルド人への拷問を含む人権侵害の存在を認めた上、この男性を難民と認めたものである。

当会議は、法務省及び出入国在留管理庁に対し、客観的な出身国情報に基づいてされた札幌高裁判決におけるトルコ国籍クルド人の人権侵害状況の評価を踏まえ、トルコ国籍クルド人の難民該当性の評価に関する関係部署宛ての通知を発出するとともに、過去に不認定処分を受けて再申請を行っている者を含め、あらためて適正な難民の審査を行うよう求める。

そして、トルコ国籍クルド人について、長期間にわたり人権侵害状況の評価が正しくなされず、保護すべき難民が保護されてこなかった現状を受け止め、現在の難民認定制度全体の歪みを是正するよう、改めて求める。

2022年8月10日
全国難民弁護団連絡会議

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