法相会見(2023年11月14日)難民認定制度等

法務大臣閣議後記者会見の概要 令和5年11月14日(火)(外部リンク:法務省ウェブ

難民認定制度等に関する質疑について 

【記者】
 補完的保護のことで何点か伺いたいと思います。先日、9日の参議院法務委員会で、国民民主党の川合議員からの質問もありましたけれども、12月1日から施行予定の補完的保護制度の運用に先立って一つ、この間の法務委員会で、概算要求で入国審査官を中心に401人の増員を求めているという御答弁がありましたが、このうち難民参与員の人数は何人で、現在は何人の調査官で難民審査の業務に当たっていらっしゃるのかということが一点。
 それと、難民調査官や難民参与員の研修内容について、概要だけでも公表する御予定はあるのでしょうか。
 それと、国会審議であったのですが、難民申請の一次審査のインタビューの段階で、代理人の立会いを認めることを検討中であるという理解でよろしいのでしょうか。
 もう一点ですが、先の通常国会でも大きな問題になりましたけれども、不服審査請求の段階で、一部の難民参与員が臨時班を構成して、そこに案件が集中して、申請者の口頭意見陳述も行わずに、書類審査だけで早急に不認定処分を出しているという実態が明らかになりました。この件について、どのような見直しを行っているのでしょうか。

【大臣】
 まず、来年度予算の概算要求の増員要求の中の難民調査官の人数については、公表しておりませんので、お答えを差し控えさせていただきたいと思います。難民認定業務に専従する者を切り分けることは困難でもありまして、令和5年4月1日現在、地方出入国在留管理局において、難民調査官に指定されている者は433名であります。
 それから、難民審査参与員への研修の問題です。この内容について、公表することは予定しておりませんが、その様々な御意見や現場の要望等を踏まえつつ、研修がより充実した内容となるよう、これは不断の検討をしていきたいというふうに思っております。必要な改善はしっかりと整えていくということが重要だと思っております。
 それから、代理人の立会いですが、入管庁では平成29年3月から、一次審査における難民認定申請者への事情聴取に際し、親を伴わない16歳未満の年少者、重度の身体的障害を有する者、精神的障害を有する者、重篤な疾病を抱える者等、特に配慮が必要な者については、医師やカウンセラー、手続を支援する弁護士等の立会いを認める取組を既に始めております。更なる取組についての御指摘もあろうかと思いますが、そういった御指摘も含めて、これも不断の検討を引き続き続けていきたいと思っております。
 最後に、臨時班の問題について御指摘がありましたが、これは、経緯はよく御存じだと思いますが、就労等を目的とする濫用、あるいは誤用的な難民認定申請が急増した時期があるわけですよね。そしてその結果、真の難民の迅速な保護に支障が生じる事態というものが生じておりました。これに対応するため、平成28年以降、行政不服審査法上の手続を円滑に進める、そして迅速かつ公正な手続を促進するために、臨時的措置として、難民認定制度に関する知識又は経験の豊富な3人の参与員によって編成される臨時班に、口頭意見陳述を実施しないことが見込まれる事件、口頭意見陳述を放棄される方々の事件など、迅速な審理が可能かつ相当な事件を重点的に配分する取組を行っているものです。
 これは、繰り返しになりますけれども、真の難民の迅速な保護に支障が生じる事態を何とか回避したいというところから、こういう取組を始めたわけであります。これも繰り返しになりますけれども、この「迅速な審理が可能かつ相当な事件」とは何かということでありますが、審査請求人が口頭意見陳述を放棄している事案など書面審査が可能なものが事実上は大半でありまして、迅速な審理が可能なものとしての処理ができるもの、こういう仕分けをした上で取り組んでおります。臨時班に迅速な審理が可能かつ相当な事件を重点的に配分する取組については、審査請求全体における事件の処理状況等を踏まえて、全体の事件の推移ですね。そういったものを踏まえて、継続の必要性があるやなしや、これも不断に注意深く判断していきたいというふうに思っております。

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