法務大臣閣議後記者会見の概要「アフガニスタンからの退避者に関する質疑について」(2022年7月12日)(外部リンク:法務省ウェブ)
アフガニスタンからの退避者に関する質疑について 【記者】
日本政府が受け入れているアフガニスタンの避難民の状況について、質問させていただきます。
現在JICAのセンターに在アフガニスタン日本大使館の現地職員とその家族が二十数世帯ほどいらっしゃいます。複数世帯が、先週末から今週にかけて、実際に帰国したり帰国準備を進めています。
この1年近く、大使館の職員として給与が支払われていたり、半年の「特定活動」の在留資格を更新したりということはありましたが、中長期的に日本で生活するために、身元保証人、住居の確保、就労支援、日本語教育、家族の呼び寄せ、難民申請手続の仕方などについて、きちんとした説明や対応が、外務省からも法務省からもなかったと聞いています。御家族の中には、「このまま日本にいても何の希望もないから、帰国して殺されたほうがましだ。」とおっしゃっている御家族もいます。家族の中でも考えは違います。
本来であれば、支援団体や弁護士も立ち会った上で、今言ったことについて、御家族一人一人に対して丁寧な説明を行うべきだったと思いますが、在留資格や難民申請手続を所轄する法務省の入管行政として、外務省の担当部署と、きちんと情報交換しながら、避難当事者に今まで丁寧に説明されてきたのでしょうか。
アフガニスタンでは依然として少数民族やハザラ人を狙った爆弾テロや、大使館関係者や女性とか子供に対する深刻な人権侵害が続いていますが、既に7月8日と9日に3家族が帰国され、15日にも数家族が帰国予定だと聞いています。15日に帰国予定なのは何世帯、何人いるのか、また今後、帰国予定が決まっている日にち、世帯、人数などについて、法務省では確認されているのでしょうか。
また、帰国された御家族の安否確認や、再び日本に戻りたいと希望された場合の対応や相談体制などについて、外務省と打合せしているのかどうか、帰国直前であっても日本で難民申請をしたいという御家族もいらっしゃると思いますが、そういうことを法務省として想定していらっしゃるかどうか、この3点について伺います。
【大臣】
アフガニスタンからの退避者について、記者からるる言及がありましたが、その内容については、飽くまでも記者の見解として受け止めさせていただきます。
御質問の在アフガニスタン大使館現地職員等の受入れ等については、外務省において対応しており、政府部内でのやりとりを含め、私から言及することは差し控えます。
また、個別の外国人の出国予定等についてのお答えも差し控えさせていただきます。
その上で、一般論として申し上げますと、我が国において難民認定を希望する外国人については、入管庁において申請を受け付け、申請者ごとに申請内容を審査した上で、難民条約の定義に基づき、難民に該当するか否かを適切に判断することになります。
難民と認められない場合であっても、本国情勢等を踏まえ、人道上の配慮が必要と認められる方については、我が国への在留を認めるなど適切に対応しているところです。
また、本国の情勢不安を理由に就労可能な「特定活動」の在留資格への変更は、これまでもアフガニスタンの方々にも認めてきたところです。
こうした取組のほか、法務省では、難民条約上の難民に該当しないものの、同様に人道的な配慮を要する方々などをより確実に保護するために、「補完的保護対象者」の認定制度の導入も検討してきたところです。
法務省としては、日本人と外国人が互いを尊重し、安全・安心に暮らせる共生社会を実現するためには、外国人の人権に十分配慮しつつ、ルールにのっとって外国人を受け入れるとともに、ルールに違反する者には厳正に対処することが重要であると認識しています。
当該外国人の母国の状況も踏まえつつ、個々の外国人の置かれた状況等にも配慮しながら、関係省庁とも連携の上、引き続き適切に対応してまいります。