1. シンポジウム開催される
〔説明文〕 11月2日、日弁連が「改正難民認定制度施行後 1年を振り返って~難民鎖国は開かれたか~」と題するシンポジウムが開かれた。新法施行後の難民認定制度について、その運用状況につき事前に行ったアンケートを発表、日弁連がまとめた意見書を紹介した(意見書は日弁連HPに掲載)。さらに、パネルディスカッションではUNHCR、難民審査参与員、法務省入国管理局付検事、日弁連人権擁護委員会難研委委員長が初めて一同に介し、参与員制度のあり方、求められる適正手続や仮滞在の運用状況につき激論を交わした。 2. 高裁勝訴判決続く 〔説明文〕 昨年の大阪高裁、東京高裁に引続き、今年も、東京高裁(3月ビルマ、8月ビルマ、9月アフガン)と名古屋高裁(7月クルド)で、難民関連裁判の勝訴判決が相次ぎました。地裁段階だけでなく、高裁段階でも、難民裁判で勝訴できることが定着しつつあります。 3. 難民認定実務マニュアル刊行 4. ナンセン人権賞を日本人が受賞 5. グテーレス難民高等弁務官来日 6. クルド、アフガン確定 〔説明文〕 6月27日大阪高裁でアフガン難民に、6月30日名古屋高裁でクルド難民にそれぞれ難民不認定を取り消す判決が言い渡され、上告されることなく確定した。アフガン、クルドとも、高裁段階で勝訴し、確定したのは初めて。アフガン難民では、9月13日に東京高裁でも勝訴判決が言い渡され、確定した。しかし、入管は再調査すると言い、年末に至るまで認定されていない。 7. 難民申請者激増 8. 収容状況の悪化:空港収容激増、大村収容増加 9. 仮滞在運用悪化 〔説明文〕 難民申請者の法的地位の安定を目的として導入された仮滞在制度であるが、最近、仮滞在許否の判断の審査期間が長期化し、上陸許否の判断も仮滞在許可の判断もされないまま事実上空港のホテルに留め置かれたり、仮滞在の不許可事由がないのに収容令書で収容されるなど、難民申請者の身柄拘束が長引く事例、さらに、「逃亡のおそれがある」という理由のみで仮滞在が不許可にされる事例など、制度趣旨を没却するような運用が多発している。 10. 参与員制度1年経過、問われる専門性 〔説明文〕 2005年5月からはじまった難民認定異議手続における難民審査参与員制度が1年を経過した。しかし,研修の実態も見えず,難民認定そのもののあり方について専門性を向上させている徴候もみられない。特に審尋における質問内容が難民性の認定にとっての中核的な部分に及ばず,周辺的な事情や重要でない事実の信憑性を問題にされたりなどその専門性に疑問が投げかけられている。