国会質疑等(2020年5月13日)山添拓議員(日本共産)@参・決算委員会[住民基本台帳に載っていない難民認定申請者等への給付]

発言者:山添拓議員(日本共産党)
日付:2020年5月13日
会議等:第201回国会 参議院決算委員会
概要:住民基本台帳に載っていない難民認定申請者等への給付

参考:国会会議録検索システム
参議院インターネット審議中継

第201回国会 参議院 決算委員会 令和2年5月13日(抜粋)

○山添拓君 …

  例えば難民認定申請中の方です。日本の審査は異常なほど時間が掛かります。1年、2年は当たり前です。場合によっては10年以上、長期にわたる下で、家族や支援者に支えられながら日本社会で生活をしている方々がおられます。もちろんそれは違法滞在ではありません。

 難民申請中で10万円の給付対象となるのはどのような場合でしょうか。

○政府参考人(前田一浩君) お答え申し上げます。

  特別定額給付金は、新型インフルエンザ等特別対策措置法の緊急事態宣言の下、人々が連帯し、一致団結して見えざる敵との闘いという国難を克服しなければならないことを踏まえまして、全国全ての皆様を対象に一律一人当たり10万円を給付することとされているものでございます。その趣旨を踏まえまして、日本国内に在住する外国人の方につきましても、基準日、具体的には4月の27日でございますが、住民基本台帳に記録されている方について給付対象とすることとしております。

  お尋ねの難民認定申請中の方についてでございますが、一時庇護許可者や仮滞在許可者である場合や、3か月を超えた在留期間が決定された方である場合には住民基本台帳に記録されることから、給付対象者となるものでございます。

○山添拓君 難民認定申請中の方でも一定の場合は認められるわけですが、しかし、それはごく一部ですね。

  今、日本には約1万400人の難民申請者がおられますが、一時庇護や仮滞在が許可されているのは300名に満たない数です。多くの場合は3か月以下の短期の在留資格を繰り返し更新をし、それが20年以上にわたるという方もいます。

  住基に記録がなくても、入管は居住地を把握しているわけです。法律上、住基の対象ではないというだけで10万円給付の対象外としてよいのかどうかと、これ、私は問われると思います。

  入管施設での感染拡大を防止するために仮放免が積極的に行われています。それ自体は重要なことです。しかし、仮放免中の場合は、家賃や生活費、当然必要になりますけれども、就労が認められておりません。ふだんであれば教会などの支援団体が支えていますが、感染防止のために礼拝が取りやめとなって、支援が途絶えています。病気になれば通院が必要ですが、生活保護も受けられず、保険に入れませんので、一回に数万円掛かると、そういう方もいます。

  入管は、本人が同意をすれば仮放免中の滞在先について自治体に伝えているのではないかと思いますが、それは何のためでしょうか。法務省、伺います。

○政府参考人(石岡邦章君) お答え申し上げます。

 法務省におきましては、仮放免を許可するに当たりまして、原則として仮放免の許可を受けようとする被仮放免者の住居を指定した上で許可をしております。そして、この仮放免者の住居につきましては、被仮放免者の同意が得られた場合は、仮放免の際に市町村に対して通知をしておるところでございます。

○山添拓君 それは何のためですか。

○政府参考人(石岡邦章君) 法務省におきましては、被仮放免者の同意が得られた場合通知しておるところで、住居を通知しておるところでございますが、これは、それぞれの市町村におきまして、それに基づきまして適切に様々な形でそれを利用されるものと承知しております。

○山添拓君 2009年、平成21年の改正法の附則60条で、行政上の便宜を受けられることとなるようにするという観点からこういう仕組みをつくったんだと、こういうことでよろしいですね。

○政府参考人(石岡邦章君) お答え申し上げます。

  我々が通知した上で、その情報に基づきまして、市町村で市町村が行っている様々な行政サービス等、それにつきまして適切な形で市町村が活用しているものと承知しておるところでございます。

○山添拓君 行政上の便宜を考慮して伝えているわけです。今回のような事態にこそ行政上の便宜が図られるように、10万円の給付も受けられるようにするべきだと考えます。

  総務省のホームページにありますQアンドAでは、住民基本台帳に記録されている外国人は給付対象者となりますと、こう書かれておりますが、これは何も法律でそう決まっているわけではありません。一つの政治的な判断です。

  法律上、住基に記録されている場合でなくても、長年にわたって日本に住んで、そして今、コロナの影響を強く受けて困難に直面している方々がおられます。これ、最も給付を必要としている方だと思います。外国人コミュニティーが地域の一環を成しているところもあります。国の判断があれば自治体としても給付できるようしていきたいと、こう考えているところもあると伺っていますし、支援団体からも強い要請があります。

  大臣、改めて伺いますけれども、難民認定の申請中の方や仮放免中の方、こうした方も受給対象としていく、そのためのいろんな仕組みを使いながら、二重払いや過誤払が起こらないように、いろんな情報あるわけですから、給付対象とできるようにしていくべきではないでしょうか。

○国務大臣(高市早苗君) 今回の特別定額給付金は、法律事項ではなく予算措置でございます。そして、貴重な税金を使わせていただく事業でございます。

  まず、先ほど来、仮放免者についておっしゃっていますけれども、この在留資格のない仮放免者というのは不法滞在状態となっておりますので、実態として3か月を超えて日本に在留しているとしても、これらの外国人については住民基本台帳には記録されず、給付対象者とはなりません。

  また、難民認定申請を行って当初の方については、難民認定制度上、一律に中長期の在留期間を付与することが適当ではないとされていますので、特段の事情がなければ3か月以下の在留期間が決定されるということになります。ただ、この難民認定制度そのものはもう法務省で定められているものでございますので、法務省の方に聞いていただけたらと思います。

  今回の特別定額給付金については、一定のルールを定める上で、今までに申し上げたような判断にさせていただきました。

○山添拓君 仮放免中の方は不法に滞在しているわけじゃないですよ。仮放免中は滞在することを認められるわけですから、少なくともですね、それによって何かとがめられるという話じゃないわけですよ。

  しかも、今回の10円の給付というのは、例えば受刑者であっても認められるんですよね、届くようにするわけですよ。そこで区別をするというのは、これは私はちょっと不当なんではないかと思いますし、今、難民認定申請中の方は3か月以下の短期の在留資格になると、ならば否定されるんだと、給付の対象にならないんだと、こうおっしゃるわけですけれども、住民基本台帳に載る場合には対象となっているわけです。そして、その中には、一時庇護者、仮滞在許可者、これ、もっと短い滞在期間の方だっているわけですよ。空港で難民認定の申請をして、直ちに一時庇護が認められるケースもあるんですね。ですから、余り期間という問題ではないと思うんです。住基に記録があるということに固執をする理由はないと思います。

  最初に大臣答弁されたように、無戸籍者、住民基本台帳に記録がなくても給付できるようにする、こういう対応をされているじゃありませんか。日本に住んで、今自粛要請に応じて感染拡大防止に協力している方たちです。仮放免を積極的に進める、法務省はそういう対応、入管は取っているわけですね。仮放免を進めて、市中で、町中で暮らしてくれと、こう言っておきながら、就労は認めずに10万円の給付からも外す、それでは私は日本政府としての姿勢が問われると思います。

 大臣、もう一度答弁いただけますか。

○国務大臣(高市早苗君) 病気とかその他やむを得ない事情がある場合に、一時的に収容を停止して例外的に身柄の拘束を解くための措置が仮放免だと思って、仮放免でございますので、逃亡、逃亡ですとか条件違反の場合にはこの仮放免の取消しが可能でございます。合法的に滞在しておられる外国人に対しては、きちっと給付金を給付するということでございます。

○山添拓君 大臣、今、仮放免は入管施設内での感染拡大を防止するために積極的に行われているんですよ。病気の治療のためというだけではなく、感染拡大防止という観点で行われている、その趣旨を踏まえて10万円の給付を実現していくようにしていただきたい。住基に載っているかどうかということで硬直的に判断するのではない運用を重ねてお願いを申し上げまして、質問を終わります。

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