声明・提言等(2020年5月15日)全難連ほか2団体より入管庁宛てに申入書を出しました。

「申入書」[PDF]

日付:2020年5月15日

発出者:全難連、入管問題調査会、全件収容主義と闘う弁護士の会 ハマースミスの誓い

受信者:出入国在留管理庁、東京出入国在留管理局

申 入 書

出入国在留管理庁 御中

東京出入国在留管理局 御中

2020年5月15日

全国難民弁護団連絡会議

入管問題調査会

全件収容主義と闘う弁護士の会ハマースミスの誓い

申入れの趣旨

1 領事館又は弁護士を除く被収容者との間の面会が実施されていないことについて、少なくとも家族との間の面会が実施されるよう求めます。また、これを契機として、インターネットを利用した面会の導入を具体的に検討するよう求めます。

2 面会を実施しないことの代替措置として行われている外部からの電話通話について、時間・回数を拡大するよう求めるとともに、電話の受付時間を延長するよう求めます。対応が困難なのであれば、被収容者自身の携帯電話利用を認めて下さい。その際、職員が一律に立会いをすることなく、また、領事官・弁護士との電話については時間・回数の制限をしないよう求めます。

3 2020年4月24日付け申入書で申し入れた、指定居住変更許可の申請について郵送の方法を認めること、一時旅行許可制度を柔軟に運用すること、仮放免をさらに柔軟に運用すること、現行の仮放免保証金の納付手続を可能な限り簡便化することについて、あらためて求めます。

理  由

1 東京出入国在留管理局等では、緊急事態宣言が発出されていることから、新型コロナウィルス感染症の防止のため、2020年4月27日から当分の間、領事館又は弁護士以外の者と被収容者との間の面会を原則として実施しないこととされています。

しかし、新型コロナウィルスの感染拡大の状況において、家族にすら面会できないとすることは、被収容者とその家族が受ける精神的負担を著しく大きくするものですので、少なくとも家族との間の面会が実施されるべきです。

また、従前より、諸外国の入管収容施設と同様に、日本の入管収容施設においても、インターネットを利用した面会の導入が求められていましたが、これを契機として、具体的に検討をする必要があると考えます。

2 一方、東京出入国在留管理局等では、面会を実施しないことの代替措置として電話通話を行なっており、このこと自体は望ましい措置と評価しております。

しかし、現在の電話通話の運用では、1回10分・通話先に関係なく被収容者1人につき週2回までに制限されるとともに、受付時間が一定の時間帯に限られており、外部との十分なコミュニケーションの時間を必ずしも確保できません。入管法61条の7が、被収容者につき、「入国者収容所等の保安上支障がない範囲内においてできる限りの自由が与えられなければならない。」と定めている趣旨から、被収容者の通信の自由を確保するため、電話の時間・回数を拡大するよう求めるとともに、電話の受付時間を延長するよう求めます。もし、収容施設においてこれ以上の対応が難しいのであれば、被収容者自身の携帯電話を利用しての発受信を認めて下さい。

また、憲法21条2項は「通信の秘密は、これを侵してはならない。」としていますし、入管法61条の7第5項も「保安上必要」がある場合に限って通信の検査等を認めていますから、電話通話の際に一律して職員が立会うことは違法です。「保安上必要」が認められる場合に限定されるべきです。さらに、領事官・弁護士との面会は原則として拒めないとする被収容者処遇規則33条1項の趣旨から、これらの者との通話については、被収容者の権利保護や法的支援のため、時間・回数の制限をしないよう求めます。

3 2020年4月24日付け申入書で行った申入れの事項のうち、次回の出頭日を通知する書面の送付等、一部の事項については実現されたものもありますが、それ以外の事項については、実現がされていない又は不十分な状態となっております。

したがって、指定居住変更許可の申請について郵送の方法を認めること、一時旅行許可制度を柔軟に運用すること、仮放免をさらに柔軟に運用すること、現行の仮放免保証金の納付手続を可能な限り簡便化することについて、あらためて求めます。

4 以上の申入れにつきましても、本書面到達後速やかにご検討の上、1週間以内にご見解をいただきたく、お願い致します。

以上

参考:2020年4月24日付け3団体「申入書」、2020年6月3日付け3団体「申入書」

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