【2012年難民10大ニュース】 

1. 2011年の難民認定率が過去最低 

〔説明文〕 

 2月、2011年の難民認定に関する数値が法務省入国管理局による発表され、一次手続きの難民認定率が0.3パーセント、異議手続きでの認定率が1.6パーセントといずれも過去最低水準であることが明らかとなった。


2. ウガンダ難民事件で初の勝訴判決 

〔説明文〕 

 

 2月、大阪地裁に係属していたウガンダ出身の難民事件で、ウガンダ難民事件では初の勝訴判決がだされた。事件は、国側が控訴し、2013年2月に高裁判決が出される予定。


3. 法務省入国管理局、日弁連、なんみんフォーラム(FRJ)が覚書締結 

〔説明文〕 

 2月、上記三者が官民連携によって難民認定手続等を改善すべく覚書を締結した。覚書に基づき、収容代替措置に関するパイロットプロジェクトなど、三者の協働による取り組みがすすめられている。


4. 名古屋難民支援室設立 

〔説明文〕 

 7月、東海地域での難民申請者の急増を受け、難民支援協会と全国難民弁護団連絡会議の協働により名古屋難民支援室が開設された。全ての庇護希望者にとっての支援の入口となるべく、英語名をDoor to Asylum Nagoya(DAN)とし、支援者や支援団体とのネットワークを構築しながら、地域の特色を活かした支援体制づくり中。

名古屋難民支援室の解説のお知らせ 難民支援協会(2012年7月10日)


5. 新在留制度開始 

〔説明文〕 

 7月、1947年以来の在留管理制度が終わりを告げ、入国管理と在留管理が一元化された新在留制度が導入された。難民認定者の在留資格が定住者5年となり、また、難民申請中の仮滞在者が住民登録の対象となって健康保険加入資格が与えられるなど前向きな変化がある一方、被仮放免者については身分を証明できるものがなくなり、基本的な社会サービスへのアクセスが困難になっていると懸念されている。
尚、難民認定申請書も改訂されてこれまでの9ページから12ページとなり、家族欄の記載が細かくなったほか、迫害の主体や迫害の恐怖を感じ始めた時期を書く項目などが追加された。


6. ルワンダ難民初認定 

〔説明文〕 

 9月、名古屋でルワンダ出身者が初めて難民認定された。異議手続きでの認定であり、一次不認定処分に対する不認定取消訴訟中であった。


7. ロヒンギャの高裁判決 

〔説明文〕 

 9月、東京高裁に係属していたビルマ・ロヒンギャ難民集団訴訟で判決が言い渡された。裁判所は、1人については難民性を認めたが、残り16人については難民性を認めなかった一審を維持した。判決は、ミャンマーで法的に無国籍とされているロヒンギャについて、ミャンマー国籍を有すると独自に認定した。


8. 第三国定住、第三陣ゼロ 

〔説明文〕 

 9月、タイ難民キャンプからビルマ難民を受け入れる第三国定住のパイロットプログラムの3年目について、希望者がゼロになったと発表された。今回の原因の究明と分析をすすめるとともに、支援のあり方や対象者の選定基準の見直しが求められている。


9. ホームレスとなる難民申請者が増加 

〔説明文〕 

 支援が追いつかずにホームレスとなる難民申請者が増加している。路上生活には厳しい冬を迎え、緊急対策が必要となっている。

    • 記事「外国人難民申請者がホームレスに 過去最多で支援遅れ」 共同通信(2012年12月10日)


10. 難民申請者数が過去最高の見込み 

〔説明文〕 

 2012年、難民申請者数が2000人を超えて過去最多になった。詳細は来年の法務省発表まで不明であるが、ビルマ出身者の難民申請数が減った一方で、スリランカ、トルコやアフリカ西部の国々の出身者からの申請数が増加しているものと見られている。申請の地域で見ると、東京入管横浜支局や名古屋入管が管轄する地域での申請が急増しているとみられる。


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