法相会見(2015年10月30日)「難民認定申請に関する質疑について」

法務大臣閣議後記者会見の概要「難民認定申請に関する質疑について」(2015年10月30日)

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難民認定申請に関する質疑について

【記者】
 難民をめぐる状況ですが,今年の難民認定申請についての現状やこれまでの申請の状況などについて教えてください。

【大臣】
 難民認定申請は,平成17年の384件から,平成26年には5,000件に増加しており,本年については,9月末までの速報値ですが,5,260件余りに上っています。

【記者】
 それらについての受け止めと今後どのように対応していくか教えてください。

【大臣】
 これらの申請の中には,報道でも指摘されていますが,難民認定申請によって庇護を求めることが主眼ではなく,我が国での就労機会を得ることや退去強制による送還を回避することが本来の目的と思われるものも少なからず見受けられます。
 そこで,我が国の難民認定制度については,政治的迫害などにより他国から逃れて来た外国人を庇護するための制度が,難民に該当しないことを自ら認識している者によって,日本で稼働する目的などのために濫用され,かつ,その数が急激に増加する傾向にあり,難民認定制度の趣旨を大いに損なうものであると認識しています。他方で,諸外国において難民を生じさせる要因が近年多様化している中,我が国における難民認定の制度運用がこれに十分対応していないのではないかという指摘を受けていることも事実です。
 そこで,本当に庇護を求める者を迅速かつ確実に保護するため,先月,難民認定申請者に対する就労許可に関する取扱いを見直し,一定の条件を設けて個別にその許否の判断を行うなど,濫用防止策を含めた難民認定制度の運用の見直しを行ったところです。その効果などをよく見極めつつ,引き続き適正な難民認定制度の在り方について検討を進めてまいりたいと考えています。

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