法相会見(2021年4月13日)無国籍の子供が増えている状況に関する質疑について;名古屋出入国在留管理局被収容者死亡事案に関する質疑について

法務大臣閣議後記者会見の概要「無国籍の子供が増えている状況に関する質疑について」「名古屋出入国在留管理局被収容者死亡事案に関する質疑について」(2021年4月13日)(外部リンク:法務省ウェブ

無国籍の子供が増えている状況に関する質疑について 

【記者】
 無国籍の子供たちの状況につきまして,2019年末時点で213人と3年間で3.5倍に増えています。認められている無国籍の子供に加えて,在留カード上では別の国名が書いてあるのに事実上は無国籍である子供たちもたくさん存在しているということが取材で明らかになりました。こうした状況の受け止めと,国際機関や有識者によると,こうした法制度上の不備は運用でも改善ができるのではないかという指摘もありますが,対応状況や今後の方針について教えてください。

【大臣】
 御質問いただいた無国籍の方の存在についての報道は承知しているところであり,この報道の数値は在留外国人統計から引用されたものと理解しております。
 在留外国人統計における無国籍とは,例えば,在留外国人からの,我が国で出生した子についての在留資格取得許可申請の審査におきまして,父母双方が無国籍である場合,父母が外国人であることが明らかであるが,父母の国籍が不明の場合などに無国籍とされたものでございます。
 この点,不法滞在者についても,統計として数を把握してはいないものの,同様の理由により,出生した子供の国籍が定かでない状況が生じていると認識しております。
 まず,父母がともに外国人の子供につきましては,日本国籍を有しませんが,国籍法は補充的に生地主義,生まれた土地での国籍ということでありますが,この生地主義を採用することにより,日本で生まれた子についてできるだけ無国籍とならないような措置を講じているところであります。
 この措置を講じましても無国籍となる場合は,他の外国人と比較して緩和された条件で帰化できるようにしている状況でございます。
 出入国管理及び難民認定法上の在留資格の取扱いにおきましては,外国籍の有無による差異はございませんので,無国籍者につきましても,要件を踏まえた在留資格を付与しているという状況であります。
 そして,無国籍であるため,旅券を取得できない場合であっても,出入国管理及び難民認定法第26条第2項に基づきまして,法務省令で定めるところにより,再入国許可書を交付しておりまして,これにより海外への渡航も可能という状況でございます。
 これらの相談が外国人在留支援センター,FRESCでありますが,こうしたところなどにあった場合におきましては,法テラス等の関係機関と協力・連携して相談対応を行うこととしております。
 出入国在留管理庁におきましては,外国人が無国籍であることを理由として不利益を被ることのないよう,関係機関と連携し,適切かつ丁寧に相談対応を行うとともに,FRESC等の相談窓口や入管法上の取扱いにつきまして,積極的に広報を行うなどの対応をとってまいりたいと考えております。

【記者】
 在留管理上で無国籍と書かれずにフィリピンなどと書かれている実質上無国籍の子供たちの問題について,今後はもう少し,事前に国籍があるかどうか,今は民事局と出入国在留管理庁で把握の仕方が違うと思うんですけれども,民事局に寄せた把握の仕方をしていくかどうか,お考えをお聞かせください。

【大臣】
 出入国在留管理庁におきましても制度がございますので,それがどのように運用されてきたのかということも含めまして,丁寧にいろいろな角度で,私自身,取り組んでいきたいと思っております。
 まだはっきりと何をと申し上げる段階ではございませんけれども,この国の中で生まれた子供の問題ということを考えてみましても,その子のしっかりとした権利についての基盤というものが,それによって失われているということであるならば,そこは問題であると思いますので,この問題については,子供の大変大事な問題という位置付けで,少し掘り下げてみたいと思っております。
 

名古屋出入国在留管理局被収容者死亡事案等に関する質疑について 

【記者】
 先週発表されたスリランカ人女性死亡の関係ですけれども,大臣は調査報告を細かく読まれたと思いますが,読み返すほど,なぜ受入れ先の支援者の女性がいたにもかかわらず,半年で20キロの体重減少があり,おう吐を繰り返し歩けなくなっていた彼女に対して,早急に病院に入れるという措置をとれなかったのか。支援者たちは助けられる命を助けられなかったと指摘されています。
 この点,調査報告書を読んで大臣はどう感じているかお聞かせください。

【大臣】
 今般の中間報告でありますが,亡くなられた方の健康状態,また医療機関との関係ということについて,まず事実の把握をしっかりとしなければいけないという判断で,早急に調査を指示いたしまして,それに伴った中間報告をなるべく早い段階でお出ししようと,第三者も踏まえた調査チームを編成して対応してきたところでございます。
 先日,報告をいたしましたけれども,死亡事案ということでありまして,その死因がまだ究明されていないということでございますので,最終的にはその判断を待って,いずれにしても亡くなられた理由がはっきりしない限りは,なかなか今おっしゃったようないろいろな事柄につきまして,部分的にコメントをするという段階ではございません。
 いろいろな要素が絡まっているとは思いますけれども,まずは,どうしてお亡くなりになったのかということについて,診療経過等の客観的な事実関係を,この中間報告の中で早くお示しするという趣旨で,先日発表させていただいたところでございます。
 本件については,引き続き,最終報告に向けまして調査をしている状況でございますので,今の段階では,様々な調査結果を待ちたいと思っております。

【記者】
 その関連ですが,まだこの適否は言えないということですけれど,他の収容者の中でも,入院や点滴等の病院での措置を求めている方がたくさんいると聞いています。
 今回の事件を受けて,他の収容者,早期の病院入院や点滴等を求めている人に対しては,現状どういう対応をしているかお聞かせください。

【大臣】
 今回のコロナ禍につきましては,私ども法務省が担当している様々な施設にとって,命の問題という形で,大変大事な時期であります。それでなくても,通常と比べましてストレスがたまる状況であり,そのようなことを考えると,健康管理についての基本的な部分につきましては,コロナの情勢もありましたので,就任以来,心を砕いてまいりました。
 今回,こうしたことであるかどうかということで,このことに取り組むかどうかということではなく,健康管理については,これまで以上に,柔軟にしっかりと取り組んでいく必要があると思っており,直ちに健康管理についての取組を指示したところでございます。

【記者】
 先週1回聞いて,まだこの点のお答えをいただけていないので質問します。
 オリンピックでの安心・安全な社会の実現のためにということで,2016年と2018年の二度にわたり,入管法の取締りの厳格化ということを示す内部通知が,法務省入国管理局長名義で出されています。
 以降,長期収容者がやはり増加し,全国での搬送や自殺などが問題視されてきました。改めて,この当時出された入管局長名での内部通知が適切なものだったとお考えか,この点についてお聞かせください。

【大臣】
 制度というのは,現実の社会の中で,どのように運用していくのかということを絶えずチェックしていくべき事柄だと思います。枠組みがあればそのとおりの姿が現実にあるべき姿として,目標としていたものが即ジャンプアップしていくというものではありませんので,現場の中で,いろいろな形で積み上げながら,その問題,課題に応じて修正し,運用の部分について,工夫をしながらやっていくということが非常に大事なことだと思っております。
 その当時したことが適切であったかどうかということにつきまして,今のようなものの考え方で進めておりますので,一つずつ改善をしながらということであります。
 今般のこと,長期収容の問題,その状況がございまして,これについては骨太に取り組んでいく必要があるのではないかということで,有識者の方々も含めての検討会を重ねた上での状況でございます。
 オリンピックうんぬんの話ではなく,こうした外国人の方々を日本の中で様々な資格で受け入れるということ,そして同時に,そうした方々と日本の社会の中で共生していくということ,こうした施策につきましても,併せて,これからも絶えず立ち止まることなく検討し,検証し,改善していくという,こうした姿勢が大事ではないかと私自身は思っております。

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