難民専門部会(第17回・2014年11月19日)

難民認定制度に関する専門部会開催状況(外部リンク:法務省)

○第17回会合 平成26年11月19日(水)
「難民認定制度の見直しの方向性に関する検討結果(報告)(案)」について議論を行った。 
※議事概要[PDF]

第17回 難民認定制度に関する専門部会 議事概要

1 日時
 平成26年11月19日(水)午後1時から3時まで

2 場所
 法務省10階入国管理局会議室

3 出席者(敬称略)
(1)難民認定制度に関する専門部会
 山本部会長代行,石川委員,滝澤委員,田中委員,野口委員,柳瀬委員,渡邉委員
(2)法務省
 井上入国管理局長,杵渕官房審議官,菊池総務課長,丸山審判課長,山下警備課長,小新井参事官,君塚難民認定室長 根岸企画室長 他
(3)オブザーバー
 外務省
 UNHCR駐日事務所

4 議事概要
「難民認定制度の見直しの方向性に関する検討結果(報告)(案)」について議論を行った。委員から出された主な意見や質問は以下のとおりであった。

○ 難民認定制度の概要及び制度の運用状況に関し,原因分析,対策というような,分析的な記載ができないのか。平成25年の難民認定数が6人であり,認定率が0.2%である背景,原因は,認定制度が厳格である点にあると考えている。

○ 認定数が少ないから問題とは思わない。しっかり審査しても難民該当性のある者がほとんどいないという申請者の実態があり,それは制度が厳しいからということではないと思っている。

○ 難民法における最も専門的な国際機関であるUNHCRのハンドブック等の基準が,国際的水準であり,UNHCRと協働しながら難民認定の質の向上を図っていくというスタンスを前面に出すべきではないか。

○ UNHCRの文書を参考にするということに関しては,意見が一致しているが,それを国内法上の基準にするという点では議論が分かれているところ。

○ UNHCRとの関係は,継続的な検討課題としてワンパラグラフ入れるということはどうか。法務省とUNHCRの基本的な信頼関係をつくることが大切であり,それにより,基準等の取扱いなどについても,実務レベルの話合いで解決,あるいはよい解決策が出てくる。

○ 継続的な検討課題として,異議申立て件数が急増している中で,案件処理を促進するために現在,3人が一班で行っている口頭意見陳述等を参与員一人で行うとの提案について,どのように考えるか。

○ いきなり一人で担当するということは,担当参与員に責任を与えてしまう気がしており,例えば,比較的軽い案件を3人でやっているうちに,段階を経て,このような案件であれば一人でできる,などの判断が出てくるとは思う。また,現在順に配点されている案件を,参与員の国際的な専門性に応じて,例えば,国別にするなど,何か工夫する方法があるのではないか。

○ 国際的保護のための枠組みを,「一時的な待避機会」と整理する必要があるのか。

○ 条約難民とは異なるため,まずは待避機会と捉えるべきで,それはやはり一時的なものである。定住ではないため,「一時的」という趣旨は伝わるようにするべき。

○ 国際的保護と難民認定が別の手続によることは煩瑣であり,「一回的な手続の構築」をコンセンサスとするべきではないか。また,保護の効果は,難民認定を受けた者と同様の保護を与えるということも検討されてよいのではないか。

○ 一回的に判断すべきだという意見と,様々な種類の要件を同じ判断の主体が,全て同じ手続で判断することは,現実的に困難であるという意見は両論併記のような形になっているのが現状。

○ 国際的保護の範囲に関して,児童の権利条約等を広く含めるべきという意見については,法務大臣の裁量の中で考慮要素として考えるということはあり得るにしても,現在の難民認定のように,該当すれば義務的に認定しなくてはならないという枠組みに,本当にそれらが全て入るのか。EU指令やフランスの例においても,児童の権利条約等のあらゆる人権条約が含まれているわけではない。

○ 再定住の問題については継続的な検討課題として政策懇談会での検討を促すのがよいのではないか。自分は,条約難民の受入れも,再定住による受入れも,難民政策という観点では不可分であると捉えており,難民認定制度と関連するものとして,外国人労働者問題,移民問題とともに,再定住問題についても言及する実益はあると考えている。

○ 国際的保護の要件を定めるに当たり,除外事項としてテロリストを装う庇護希望者の入国防止という点は重要だが,難民認定手続という観点では,まずは難民条約上の除外条項が検討されるべきではないか。

○ 手続上,特別な配慮を要する者を定めるに当たり,PTSD等の精神疾患者を対象とすることについて記載されるべきではないか。精神疾患は目には見えないが,申請の最初の段階で,そういった者が来ることがあり得るという意識を持って対応していただきたいという趣旨である。

○ 一次審査への代理人の立会いを検討する前に,現在の異議審査についてだが,例えば,弁護士がかかわることによって,審尋期日の延長を何度も余儀なくされるという問題があり,中には引き延ばしが目的で弁護士がかかわっているのではと思うようなケースもあった。日程の問題を含め,弁護士の質を高めること,問題があった場合に交代させることなども弁護士サイドで検討されるべき。

○ 現在,一次審査に立ち会えないので,異議段階で弁護士への依頼が来て,そこから資料等の情報を集める。異議段階で,既に審尋期日が入っている案件について受任したため延期をお願いするということはあり得るが,それは,内容を確認しないままに意見書を書くというわけにいかないのでやむを得ないと思う。そういった意味で一次審査から立ち会うことのできる体制は必要。質の問題については,弁護士自治という問題はあるものの,弁護士サイドでも議論をしなければならないが,それはそれとして,一次審査への立会いを検討するということを提言できないか。

○ 一次審査への代理人の立会いについては,今後検討していかなければならないが,ただちに制度として設けてしまうと,実際に様々な問題がある中で,それに対処するための仕組みをどうするかについても,なお検討されなければならないし,いま言及された弁護士自治との関係などもある。そのため,今回の提言でのコンセンサスとしては,特別な配慮を要する者に対する立会いを試行的に行うというところまでではないか。

○ 行政法的な観点から見ると,弁護士の質は実務的な問題であり,行政手続的には,まずは,一次審査の性質という観点で検討されなければいけない。制度上,一次審査は,対審構造を取る異議審と違う手続であるという前提があるため,異議審での代理人弁護士の問題が解消されれば一次審でも立会いを認めるとは単純に割り切れない。

○ 振分け手続についてだが,迅速な処理という点では,確かに振分け手続は機能すると思うものの,複数回申請という観点からは,申請の回数が増える速度を上げるだけというようなことになるのではとの懸念がある。そこを断ち切る制度にするという観点を盛り込むことができないか。

○ 複数回申請については制度の瑕疵として様々な指摘をされているところがあるため,適切に対応する必要があるとは思うが,いま現在,複数回目の申請で難民認定される者が存在するため,適正性・公平性・透明性の向上と併せて見ていかないと,真の難民の庇護に欠けてしまう可能性があるということを留意事項として指摘しておきたい。

○ 申請者に対する就労許可について,正規・非正規を区別せず,諸外国の例も参考に,一定の要件のもとに就労を認める方向を検討し,併せて稼働目的の申請の誘発を防止するための方策も検討すべきというトーンがよいのではないか。

○ 現在,正規在留者については,一定期間が過ぎればほぼ無条件に就労を認めているということが濫用的な申請を誘発しているという現状があり,まずはその要件をどう見直すかということを考えることが先決。そのことなしに,非正規在留者についても就労を認めるという方向性は濫用される蓋然性が相当に高い。まず順番としては,正規在留者への対処をした上で,今後非正規在留者についても検討するということになるのだろう。

○ UNHCRハンドブック等に法的拘束力がないというが,そもそも,法的拘束力がどういうものなのか,条約上の義務もないからといって法的な拘束力がないと言って全く用いない,各国が自由に取り扱ってよいということではないと思う。

○ 拘束力とは,法的な拘束力は何かということである。UNHCR諸文書を参考にすることについて意見は一致しているが,難民認定をする際の法規範としてUNHCRガイドライン等に従い,認定の当否を判断するという意味の拘束力はないということである。

以 上

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