国会質疑等(2022年3月16日)東徹議員(日本維新の会)@参・法務委員会

発言者:東徹議員(日本維新の会)
日付:2022年3月16日
会議等:第208回国会 参議院法務委員会

会議録(抜粋) 

    • 東徹君 日本維新の会の東徹でございます。
       ウクライナ情勢ですが、もう日に日に激化しておって、報道を見るたびに、もう見るに見かねないというか、つらいなという思いがいたしております。
       なかなか、協議はしておりますけれども、ロシアとウクライナで、停戦にはなかなか合意はできないようでありますし、更に攻撃は激化していっているという状況です。そんな中で、避難民がもう300万人を超えてきたというような状況でありまして、周辺諸国もこれ以上はもう自分たちでは受け入れられないというようなことを申しております。
       日本でできること、本当限られておりますが、やはりこの避難民の受入れ、ここをやっぱりしっかりと我が国もいち早くやっていかなくてはならないというふうに思っております。先週3月8日の委員会でお聞きしたら、8人の方を既に受け入れているということでしたけれども、現在何人避難民の方を受け入れておられるのか、お聞きしたいと思います。
    • 政府参考人(西山卓爾君) 現在、ウクライナから避難を目的として本邦に入国された方の数でございますけれども、3月2日から、以降3月14日までで54人となっております。
    • 東徹君 54人の方を受け入れられているということでありますが、まだまだこれからなんだろうというふうに思っております。
       先週お聞きしたときも、特定活動という在留資格で受け入れる方策も一つあるというふうな御答弁がありました。昨日も、閣議後の記者会見で大臣もおっしゃっておられます。現在の避難民の受入れの検討状況についてお伺いしたいと思います。
    • 政府参考人(西山卓爾君) 入管庁におきましては、日本に退避するウクライナ人につきまして、入国時においては、在留を希望する理由を含む個々の事情を踏まえて、発給された査証に基づき短期滞在等の在留資格を決定しているところでございます。これらの者について、我が国での就労を希望する方々については、個別事情を考慮しつつ、希望であれば随時、就労可能な在留資格、特定活動一年で滞在を認めることとしたところでございます。
       ウクライナからの避難民を受け入れるに当たっては、内閣官房が司令塔となり、法務省としても外務省等の関係省庁と連携して受入れに当たっての対応を至急検討しているところでございます。
    • 東徹君 短期滞在で受け入れて、そして就労したいといった場合には特定活動ということで就労を可能にしていくと。その場合一年ということでありますけども、これも一年ごとに、また一年たてばまた更新することができるということでよろしいんでしょうか。
    • 政府参考人(西山卓爾君) 状況に応じて更新することも当然考えてございます。
    • 東徹君 今現在、大阪府なんかでも130人ほどのウクライナ人が住まわれておるわけですけども、その御家族とか親戚の方が避難されてくることが想定されるわけでありますけども、当然、府営住宅等の提供とか、避難してきた子供たちが通う学校の手配とか、それから事業者と連携した就労支援、そういったものも準備し、相談窓口も設置をいたしております。兵庫県も同様の取組があるというふうに聞いております。
       避難民の受入れについてでありますけども、自治体との連携についてはどのように行っていくのか、お伺いしたいと思います。
    • 国務大臣(古川禎久君) まず、この支援の方針ですけれども、これは政府全体として今至急検討しておるところですけれども、受入れの規模あるいはその支援の在り方ですね、これについて今、内閣官房それから外務省等、関係省庁と一体となって、また、自治体や企業からもその協力支援のお申出等たくさんいただいておりますので、これらを合わせて最大限の支援ができるように努力をしたいというふうに考えているところです。
       そこで、今お尋ねのこの自治体との、何といいますか、この連携ということなんですけれども、入管庁では、この避難民の方々に対して住居や就労機会の提供等の支援を検討されている自治体、それから企業等からの情報を一元的に把握できるように窓口を設置をいたしました。
       これからますます増えていくことになろうと思いますけれども、そういう情報を共有しながら、適時的確な効果的な支援ができるように努めていきたいと考えているところです。
    • 東徹君 確認をいたしますが、出入国在留管理庁というところで一元的にその情報を集めて、そこで自治体との連携、どんなことができるよというのを全部その出入国在留管理庁の方で取りまとめを行って、そして自治体と連携して、こういう方がおられますから受け入れてくださいとか、そういった連携をするということで、具体的にその辺のところ、それでよろしいんでしょうか。
    • 国務大臣(古川禎久君) この支援の内容によっては各省庁連携しながらということになりますけれども、少なくとも窓口という意味では入管庁において行います。
    • 東徹君 ありがとうございます。
       非常に迅速に対応していただいておるというふうに思っておりまして、法務省も全力でこのことを取り組んでいただいているというふうに思っております。引き続き迅速な対応をどんどんとやっていっていただきたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。
       続きまして、昨年廃案になりました入管法のことについてお伺いをさせていただきたいと思います。
       我々も、前回も申し上げましたが、廃案になった入管法、これは是非成立させるべきだということで取り組んでおりましたが、残念ながら廃案になったということでありました。
       もちろん、スリランカ人の女性の方の問題もありましたけれども、それはそれとして、やはり入管庁が、入国管理局が改めていくべきところは改めていかなきゃならないというふうに思っておりますし、非常に、亡くなられた方のことについては非常に残念なことだというふうに思っております。
       日本で出国を避けるために、難民には該当していないのに難民として申請をしているというケースが多いというふうに言われておりました。それが社会問題になってきて、入管行政において、不法残留とそれから長期滞在、長期収容の問題は非常にこれ大きくなってきたという認識をいたしております。
       令和3年では8万3千人いるというふうに見込まれておった不法在留者のうち、これ何人ぐらい摘発することができたのか、まずお伺いしたいと思います。
    • 政府参考人(西山卓爾君) 令和3年中に不法残留を含む入管法違反により退去強制手続又は出国命令手続を取った外国人の数はおおよそ1万8千人になる見込みでございます。
    • 東徹君 不法残留者のうち、8万3千人おられるわけですけれども、そのうち1万8千人が退去強制手続に移ったというようなことでございますが、不法残留、これは入管法第70条で3年以下の懲役、禁錮又は3百万円以下の罰金という罰則が設けられておるわけでありまして、日本ではこれ犯罪として取り扱われているわけであります。
       外国人にも国内では我が国のルールに従ってもらう上で、これ摘発数を更に増やしていかないといけないというふうに思うんですが、どのような対策が必要と考えるのか、お伺いしたいと思います。
    • 政府参考人(西山卓爾君) 入管庁では、不法滞在者を減らすために、入管庁独自で保有している情報に加えまして、一般の方々から寄せられる情報、あるいは厚労省などの関係機関から提供される情報を収集、分析し、不法滞在者の潜伏場所や就労先等を特定するなどして不法滞在者の発見に取り組んでいるところでございます。
       また、不法滞在者に対し、偽造在留カードの提供や不法就労のあっせんをするブローカーに対しても、警察等の関係機関と緊密に連携を図り、積極的に摘発するほか、不法就労助長事犯に関与する悪質な雇用主に対しましても厳格に対応することによって、不法滞在者への不法な援助を絶つように努めているところでございます。
    • 東徹君 まずは行方をくらましている不法滞在者がどこにいるかというところから始まっていくんだろうというふうに思っていますので、非常になかなか難しいとは思いますけれども、更なるやっぱり摘発に向けて取り組んでいただきたいというふうに思います。
       不法残留者が退去強制手続を経て退去強制令書というのが発付されたにもかかわらず退去を拒んでいるという、いわゆる送還忌避者がいるということでありますけれども、それがどれぐらいいて、そのうち、どのような犯罪で有罪判決を受けた人がどれくらいいるのか、お伺いしたいと思います。
    • 政府参考人(西山卓爾君) 令和2年12月末時点におきます速報値でございますが、3,103人の送還忌避者のうち我が国で有罪判決を受けた者が994人存在いたします。有罪判決を受けた者の中には、殺人、これが7件、強制性交等の性犯罪、これが34件、強盗58件などの重大犯罪を行った者も存在しております。
       なお、その刑期につきましては、懲役7年以上が88人、懲役5年以上7年未満が87人存在いたしまして、最も刑期が長い者は懲役15年となっております。
    • 東徹君 今の話を聞くと、かなりの、まあ三分の一が犯罪者、有罪判決を受けている方がおられるということになるわけですね。中には、殺人者が、殺人犯、7人いたということで、これ、非常に驚く数字でありますけれども。
       送還忌避者の中には、収容施設から仮放免中に逃亡するケースも多数あるというふうに聞いております。中には、逃亡中の犯罪を犯すケースも実際にあったことを踏まえると、我が国の社会や国民の生命、財産を犯罪から守る対策が必要だということはもう本当に明らかだと思います。先ほどの話を聞いておりますと、もう国の治安に直結する深刻な問題だというふうに思うわけであります。
       今、国会で入管法見送られたということで、私は非常にこれ残念なんですね。これ本来、私はこの通常国会でこの入管法をもう一度出されるというふうに思っておったわけです。ところが残念ながら入管法出されなかった。これ新聞報道見ておりますと、この夏には参議院選挙があるので、与党である自民党、公明党がこの選挙の影響を恐れて出さないというようなことが報道ではそうやって出ているわけですね。
       私は、非常にこれ残念でありまして、やはりこういった犯罪事件もあるので、こういった入管法は大事なんですよということをやっぱり僕はしっかりともう法務大臣が本来は説明をしてこういった入管法の成立を目指すべきだったというふうに思うわけですが、これ、通告しておりませんけれども、古川法務大臣、私はこれ出すべきだというふうに思うんですが、いかがですか。
    • 国務大臣(古川禎久君) この出入国在留管理行政の責任者は私であります。やはり、外国人の人権に配慮しつつも、ルールにのっとって外国人を我が国に受け入れて、そして適切な支援を行って、しかし一方で、ルールに違反する者は厳正に対処すると、あるいは退去していただくということは、これは私、出入国在留管理行政を行う上でのこれは基本原則であると思っております。それを全うすることが私どもに課せられた責務であるというふうに考えております。
       そのときに、先ほど来委員から幾つか問題点を指摘、言及いただいておりますけれども、その不法残留の問題であるとか長期収容の問題とか、これがあるわけです。この問題を根本的に解決をしなければならない責任を私、帯びております。そのためには、やはりこの前の入管法の中に織り込まれておりましたとおり、やはり制度的な見直し、法律を改正して制度的な見直しをしないことには、私はなかなか難しいのだという認識、これは全く変わっておりません。
       したがいまして、この前、入管法、残念ながら廃案になってしまったのは残念でしたけれども、やはりこの法整備というのは必要であるという考えに変わりはございません。
    • 東徹君 じゃ、古川大臣としては、この入管法の成立は非常に大事だというふうに考えているけれども、党の方から、参議院選挙で影響が受けるからこれはもうやめておけということで、特に国対がというふうなことも報道にはありましたけれども、そういったことで取り下げてしまったということなのかなというふうに思うわけですが、答弁されますか。
    • 国務大臣(古川禎久君) 御案内のとおり、あの法案は、与野党の、国会における与野党の皆様の合意によって廃案という運びになったわけですね。
       そして、様々意見がございます。いろんな、この賛否合わせていろんな議論があります。ですから、やはりそういうこともしっかり耳を傾けながら、先ほど私が申し上げましたような法制度の必要性というのはもう私は間違いなくあると思っておりますが、その上で、その皆様のいろんな御意見も伺いながら、より良いものにするならば、手直しをするところがあれば手直しをしつつ、しかし法整備は進めていきたいということでございます。
    • 東徹君 この通常国会に出す準備をされていたと思うんですね。されていたと思うけれども、やっぱり夏の参議院選挙の影響を受けて、またこのスリランカ人の女性の方のですね、またそんないろんな問題がまた再燃されるんではないのかということを恐れて出すのを見送った。見送ったことによって、また更に問題のやっぱり解決がまた先送りされるという、もうこれは本当にこういうことがあってはならないというふうに思うわけです。
       これもう今国会の法案では、今国会では出ないんですから、じゃ、古川大臣、この法案を、通告していませんけれども、いつ出されるつもりでおられるんですか。
    • 国務大臣(古川禎久君) それは、申し上げておりますとおり、これが必要であるという認識にはいささかも変わりはございません。ですから、環境が整い次第、国会に提出をさせていただきたいという考えを持っております。
       また同時に、いわゆる今回のこの入管法改正案のみならず、私どもが抱えております喫緊の課題あるいは改正すべき法律案というのは幾つかございます。ですから、この法案ばかりではなく、もうそれぞれ喫緊の課題、急がなければならないテーマというものを抱えておるということは申し上げたいと存じます。
    • 東徹君 今回、この入管法についてですね、国の治安に関わるやっぱり深刻な問題だというふうに思うわけですよ。だからこそ早くやっぱり提出していただきたいというふうに思っているわけです。この通常国会駄目だったら参議院選挙後ということみたいですから、是非臨時国会に出していただきたいなというふうに思います。
       さらに、もう一問お聞きするんですけれども、入管法、これ見送ったわけですけれども、これ遅れるわけでありますが、法改正が実現するまでの間、どのような対応を行うのか、お聞きしたいと思います。
    • 政府参考人(西山卓爾君) まず、その入管法改正で改善といいますか、やろうとしたことが、まさに長期収容の問題、これを解決するということでございます。そういった課題に対応していくためにも、まずは、先ほど委員からも御指摘がございました名古屋案件、これにつきましては調査報告書で改善策が示されております。この改善策をまず速やかに確実に実施していくことが重要でございまして、それによって、その長期収容等の問題についても解決を現時点でも図っていくことができるというふうに考えております。
    • 委員長(矢倉克夫君) 時間が過ぎておりますので、おまとめください。
    • 東徹君 国の治安に関わることですから、是非、入管法、早く提出をしていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

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