法相会見(2022年2月15日)「出入国在留管理官署の収容施設における医療体制の強化に関する有識者会議」に関する質疑について

法務大臣閣議後記者会見の概要「「出入国在留管理官署の収容施設における医療体制の強化に関する有識者会議」に関する質疑について」(2022年2月15日)(外部リンク:法務省ウェブ

「出入国在留管理官署の収容施設における医療体制の強化に関する有識者会議」に関する質疑について

【記者】
 入管庁の有識者会議が、収容施設の医療体制を強化するため、外部医療機関との連携強化や医師の兼業を認める法整備などを求める報告書案をまとめたと、2月9日にNHKが報道しました。
 この有識者会議ですが、入管収容施設の医療体制の強化というのは、名古屋入管で亡くなったスリランカ人女性の調査報告書の12項目の改善策の一つです。今後この報告書は、いつ頃をめどに、どのような形で公表されるのかということが1点。
 また、入管庁のホームページでは、この有識者会議は2月3日までに計5回行われており、3回目までは簡潔な議事要旨が掲載されているのですが、議事内容はほとんど書かれていません。この議事内容というのは、調査報告書に基づいて法務省入管庁が提案したものなのか、参加した有識者自身が検討した議事内容になっているのか、まずこの2点について、よろしくお願いいたします。

【大臣】
 御指摘の有識者会議は、調査報告書で示された改善策の一つである「収容施設の性質等を踏まえた計画的で着実な医療体制の強化」について、その具体的な方策を検討することを目的として、医療や出入国在留管理行政に関する専門的知見を有する5人の方々に委員となっていただいています。
 会議では、収容施設の実情や調査報告書で示された改善すべき点を十分に踏まえ、専門的見地から幅広く議論を行っていただき、現在、提言の取りまとめに向けた調整が進められているものと承知しています。

【記者】
 報告書をまとめたということをNHKの報道で知ったのですけれども、この報告書をいつ頃にまとめるのかという点と、名古屋入管のケースでは最終報告書を公開されたわけですけれども、この有識者会議の報告書というのは、先ほど言ったように議事内容が全然書いていないので、詳細について報告や公開をされるのかどうかということを伺います。

【大臣】
 この有識者会議は、外部の有識者の方々において検討がなされているものであるため、私は、提言の取りまとめ時期・内容について、お答えする立場にはありません。
 ただ、入管収容施設における医療体制の強化は喫緊の課題であり、提言をいただいたならば、その内容を速やかに公表するとともに、必要な対応を早急に実現していく考えです。

【記者】
 内容については有識者の方に任せているという御回答だと思うのですが、この有識者会議の座長は国際人権法学者の坂元茂樹先生です。
 そうしますと、国連からも、例えば恣意的拘禁のワーキンググループが入管の今の収容制度の在り方そのものが国際法違反であると指摘した意見もありますし、基本的な被収容者の患者としての人権、医療の受診に関するインフォームドコンセントの保障ですとか、診療情報を本人や代理人に開示するといったようなことが現在は全くされていません。
 そういったことが今までの入管医療の欠陥としてあるわけですが、座長が国際人権法学者の先生であるということも含めて、そういった患者、入管被収容者の人権に配慮するようなことをしっかり討論してくれといった要望というのは、入管庁の方から出して、有識者会議の中できちんと議論はされているのでしょうか。
 これは被収容者の基本的な人権の根幹に関わる部分だと思うので、是非大臣の考えをお聞かせください。

【大臣】
 何度も申し上げますけれども、外部有識者の方々にお願いをして検討していただいているものです。その内容について、私は具体的にコメントする立場にありません。

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