国会質疑等(2022年1月20日)@衆・本会議

発言者:水岡俊一議員(立憲民主党) (ホームページTwitterFacebook
日付:2022年1月20日
会議:第208回国会 衆議院本会議

官報(外部リンク:国会会議録検索システム(国立国会図書館HP)

(抜粋)

質問 

○水岡俊一君 立憲民主・社民の水岡俊一です。

 …

 岸田総理は人権外交に積極的だと聞きました。

 人権外交とは何でしょう。人権外交とは、世界で人権侵害を許さないよう国際会議や首脳会議で訴えることであります。日本が中国のウイグル自治区における人権弾圧問題を解決するために積極的に取り組むことは極めて重要であり、国際的な動きと協調するものです。しかし、国内では男女差別に始まり、アイヌ、被差別部落、外国人、障害者、朝鮮学校の生徒に対する差別など数々の人権侵害が存在し、有効な手段が講じられていない現実がある限り、日本の人権外交は説得力を持ちません。国内の問題を本気で解決することができない国が人権外交をうたっても、まさに裸の王様、世界の笑い物です。

 国内の人権政策を考える上で重要なポイントは、国際標準に照らし合わせてきちんとチェックすることです。

 例えば、入管施設で虐待により死亡された三十三歳のスリランカ女性、ウィシュマ・サンダマリさんの事例を考えるとき、実は入管による恣意的な長期収容の問題に対して、以前から国連の国際自由権規約委員会、拷問禁止委員会、人種差別撤廃委員会が日本政府に対して繰り返し是正勧告や批判を行ってきた事実があったわけです。それらの勧告をしっかり受け止め、入管行政に対して不断の検証を行っていれば、ウィシュマさんの悲劇的な死も未然に防ぐことができたのではないでしょうか。

 質問五です。

 岸田総理は、入管において国際自由権規約委員会等からの度重なる是正勧告を無視し、適切な対応を取らなかったのは、どこに問題があったと考えますか。

 ウィシュマさんが入管施設で死亡に至った経緯が記録されたビデオを見ましたか。ビデオを見た参議院法務委員で我が党の有田芳生議員からは、入管職員の対応は拷問を通り越し、緩慢な殺人と言われても仕方ないと聞いています。日本の公権力が命を軽んじていたかどうかを総理は自分の目で確認されてはどうですか。

 これまで入管は、一九七八年最高裁判決で示された、外国人に対する憲法の基本的人権の保障は外国人在留制度の枠内で与えられているにすぎないとの判断を金科玉条とする姿勢を崩してこなかったと見られます。日本としては、外国人排除ではなく、基本的人権の尊重が最も優先されるべきだと考えますが、総理の見解を伺います。

答弁 

○内閣総理大臣(岸田文雄君) 水岡俊一議員の御質問にお答えいたします。

 …

 出入国在留管理行政についてお尋ねがありました。
 まず、改めて、お亡くなりになられたウィシュマさんに心より哀悼の意を表するとともに、御遺族に対しお悔やみを申し上げます。
 自由権規約委員会等から様々な指摘があることは承知していますが、我が国としては、国際人権諸条約の締約国として条約が定める義務を誠実に履行していると考えています。
 御指摘のビデオ映像については、私自身は閲覧しておりませんが、法務省において、その内容を精査し、外部有識者から御意見もいただきつつ、幅広く問題点を抽出した上で改善策を着実に進めているものと承知をしており、このような事案が二度と起こらないよう、法務省においてしっかりと取り組んでもらいたいと考えております。
 言うまでもなく、基本的人権の尊重は重要であり、引き続き、日本人と外国人が安全、安心に暮らせる共生社会の実現、目指してまいります。

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