【2005年難民10大ニュース】

1. 難民審査参与員制度始動!はじめての第三者関与 

〔説明文〕 

 1982年の難民認定制度開始以来初の本格的改正によって、異議申立手続に難民審査参与員が諮問委員として参加することになりました。初めて第三者が手続に参加することで、客観性の向上に期待が寄せられています。


2. UNHCRマンデート難民カザンキラン退去強制 

〔説明文〕 

 UNHCRが難民として認定していた父子が、強制退去されました。難民すらも退去しようとする入管の姿勢には内外の批判が集中しました。


3. 大阪・東京高裁で難民裁判勝訴 

〔説明文〕 

 地裁段階では2004年まで多数の勝訴判決が蓄積されていましたが、2005年ようやく6月に大阪高裁で(しかも逆転勝訴!)、12月には東京高裁で(こちらは地裁判断の維持)、それぞれ壁を突破しました。


4. 難民認定数増加(現時点で40名を超えているようです) 

〔説明文〕 

  これまで最高で26名という数字に留まっていた年間認定数が、2005年は45名以上となっているようです。2004年に比べても3倍の数字となっており、今後のさらなる増加に期待をしたいと思います。


5. アフガニスタン人難民申請者アリジャン勝訴 

〔説明文〕 

 東京地裁民事38部において、アフガニスタン人アリジャンさんが難民として認定され勝訴しました。しかし、これを不服として法務省は控訴しており、今後控訴審の動向が注目されます。


6. 全難連による参与員ボイコット運動 適正手続を訴える 

〔説明文〕 

 全難連では、難民認定手続の第一次手続段階の資料の開示など適正手続の保障を求め、やむを得ず新制度のボイコットに踏み切りました。その後、入管との間で、不認定理由の詳細化、入管と全難連との定期的協議の機会の設置などを確認し、9月から手続に参加しています。


7. 難民申請者の収容が全体として減少傾向に 

〔説明文〕 

  これまで退去強制手続が難民認定手続と別に進められ、申請者の収容は非常に大きな問題とされてきました。改正に伴う「仮滞在許可制度」や認定手続中の退去不執行等の効果とともに、これまでのUNHCRからの要望がようやく実になったのでしょうか。


8. 就労禁止条件を付されたKKO(ビルマ人難民申請者)収容される 

〔説明文〕 

 これまで黙認状態であった難民申請者の収容問題に、初めて入管側が就労禁止条件を付し、生存のために働かざるを得なかったKKOさんは仲間の見詰める中収容されていきました。申請者の生存権の保障をどうするのかが、これからの課題です。


9. 広島アジズ民事初勝訴 

〔説明文〕 

 刑事事件で難民該当性が認められたアブドゥル・アジズさんについて、広島地裁は、3月、行政事件で再度難民該当性を認めました。にもかかわらず、法務省はこれを不服として控訴し、現在、広島高裁で審理が行われています。


10. 東京入管前キャンドル人文字「ともだち」,難民申請者励ます 

〔説明文〕 

 3月、約400人が集まり、東京入国管理局前の公園で、強制収容されている外国人らを元気づけるため、コンサートを開きました。夜になると、参加者はキャンドルを手に持ち、多文化共生の願いを込めて人文字「ともだち」を作りました。


番外 日弁連、法務省によるトルコ現地調査に「警告」 

〔説明文〕 

年末に飛び込んだニュースです。トルコ出身クルド人難民申請者の身分を明らかにする形で法務省がトルコ当局に照会し現地調査を行っていた問題で、日弁連は12月26日、クルド人9名の人権救済申立てを認め、「新たな迫害のおそれがあり重大な人権侵害行為だ」として「警告」を出しました。


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