大晦日まで全難連が選ぶ2021年難民10大ニュースをカウントダウン形式で発表しておりましたが、ついに最終回となりました。
1. チャーター便送還違憲判決
9月22日、東京高裁は、難民異議棄却告知後直ちに収容し、翌日チャーター便により強制送還されたスリランカ人男性2名について、憲法32条が保障する裁判を受ける権利を侵害したとして国に対して慰謝料各30万円を支払よう命じる判決を下した。
これに先立つ1月13日、名古屋高裁でも同様の事件で司法審査を受ける機会を侵害したとして国に賠償を命じる画期的な判決が下されていたが、憲法違反の主張は斥けられていた。東京高裁判決は、名古屋高裁判決の進化形といえる。
【参考情報】
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- 全難連声明「東京高裁の送還違憲判決に従い難民申請者を含む外国籍者の裁判を受ける権利を保障するよう求める声明」(2021年9月28日)
- 法相会見「人権,出入国在留管理行政等に関する質疑について」(2021年10月15日)
- 法相会見「東京高等裁判所における国家賠償請求訴訟判決に関する質疑について」(2021年10月8日)
- 記事(社説)「入管違憲判決確定 人権意識の欠如、著しい」秋田魁新報(2021年10月13日)
- 記事(社説)「入管対応に違憲判決 人権顧みぬ体質改めよ」中國新聞(2021年10月2日)
- 記事(社説)「送還違憲判決 断罪された入管の「闇」」朝日新聞(2021年9月28日)
- 記事(核心評論)「「強制送還に違憲判決」 裁判所は入管に歯止めを 時代遅れの判例見直せ」共同通信/東奥日報(2021年9月28日)
- 記事(社説)「裁判封じた送還「違憲」 人権無視した入管を糾弾」毎日新聞(2021年9月25日)