法相会見(2021年11月2日)入管収容施設における医療体制の強化等に関する質疑について

法務大臣閣議後記者会見の概要「入管収容施設における医療体制の強化等に関する質疑について」(2021年11月2日)(外部リンク:法務省ウェブ

入管収容施設における医療体制の強化等に関する質疑について 

【記者】
 続いてお伺いします。先ほど発言がありました入管の収容施設の医療体制強化について,今後,有識者会議で議論が進められると思いますが,大臣が期待する議論の方向性と取りまとめに向けたスケジュール等について,お願いいたします。

【大臣】
 この有識者会議は,調査報告書で示された改善策の一つである「収容施設の性質等を踏まえた計画的で着実な医療体制の強化」との項目について,その具体的な方策を検討することを目的とするものであり,医療や出入国在留管理行政に関する専門的知見を有する5人の方々に委員となっていただいています。
 会議では,収容施設の実情や調査報告書で示された改善すべき点を十分に踏まえ,専門的見地から幅広く議論を行っていただくことを期待しています。
 今後のスケジュール感については,これは有識者会議の皆様にお預けしている立場ですから,私から取りまとめの時期を申し上げることはできません。

【記者】
 冒頭に御発言があった入管の医療体制の検討会議のことですが,これには,例えば今まで国連の恣意的拘禁のワーキンググループから,収容の上限を決めろとか司法審査の介入を求めるといった制度的な側面から長期収容をなくすといった勧告も出ています。医療体制だけではなく,そういった制度的な在り方についても検討されるのかどうか。
 それから,今コロナ禍の中で,実際に収容せずに仮放免の人がすごく増えているのですが,その人たちも結局,在留資格がないまま放置されたままで,入管には収容されていませんが,健康状態の悪化や家族がもう生活できないなど,そういう方がたくさん増えていらっしゃいます。生活困窮は本当にひどい状況です。
 そうした入管に収容しない仮放免の状態の人についての検討は,こうした検討会議でされる御予定があるのかどうか。大臣が把握している範囲で教えてください。

【大臣】
 まず,前半の御質問についてですが,先ほど私が御報告した有識者会議は,「収容施設の性質等を踏まえた計画的で着実な医療体制の強化」という項目に対応するものであり,その第1回会議が開かれたわけです。調査報告書においては,その他にも論点が示されており,それぞれスケジュール感は違いますが,個別の論点ごとに検討を始めています。内容によっては,既に運用を改善したものもありますし,他方で,予算措置が必要なものなど中長期的な課題として,今なお検討が続いているものもあります。
 いずれにしても,調査報告書で示された論点については,重く受け止めた上で,きちんとした形で実現できるように鋭意努力をしているところです。
 次に,仮放免など出入国在留管理における様々な制度,在り方については,様々な御意見があります。そういう様々な御意見を聴きながら,また,実情をしっかり踏まえながら,適正な出入国管理行政が行われるようにこれからもしっかり努力をしていきたいと考えています。

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