法相会見(2021年4月23日)入管法改正案等に関する質疑について

法務大臣閣議後記者会見の概要「入管法改正案等に関する質疑について」(2021年4月23日)(外部リンク:法務省ウェブ

入管法改正案等に関する質疑について 

【記者】
 入管法改正に関してお聞きします。名古屋入管で亡くなったスリランカ人女性を亡くなる2日前に診察した医師が,患者が仮放免を望んで心身に不調を来しているなら,仮放免して良くなることが期待できる,患者のためを思えばそれが一番良いのだろうかと報告書に記載していたことが判明しました。これは9日に発表された中間報告には一切書かれておりませんでした。
 報告の客観性や中立性が改めて問われていると思いますが,この医師が提出された診療情報提供書等々,国会で公表する予定はありますでしょうか。

【大臣】
 報道につきましては承知をしているところでございます。
 今回の事案につきましては,必要に応じて更なる事実確認などを行った上で,今後できる限り速やかに,当局の対応の適否等につきましても,評価・検討を加えまして,最終的な調査結果を取りまとめることとしております。
 御指摘の仮放免を行わなかった点の評価につきましても,最終調査結果においてお示ししたいと考えております。
 なお,中間報告の詳細につきましては,出入国在留管理庁にお尋ねいただきたいと思います。

【記者】
 スリランカ人女性の中間報告の結果と内容について改めてお尋ねします。
 大臣の方に司法解剖の結果というのは,既に報告が上がってきているのでしょうか。その内容を御覧になっての御見解をお尋ねしたいと思います。特に,症状,カルテなどを精査された上で,既に死因というのが確定されているのであれば,それについて御披露いただけますでしょうか。

【大臣】
 今回の中間報告につきましては,様々なところで私自身発言しておりますが,亡くなられた方の体調についての訴え,この間の診療状況,病院との関わり,こういった事実関係をまず調べるようにということで,なるべく早く中間報告の形で出していく必要があるのではないかということでお出ししたものであります。
 もちろん,いろいろな角度から,しかし森羅万象全部を書き込むわけにはいきません。そういった中で,更にフォローしていくべきことについての調査を加えながら,最終報告に向け,評価の検討も織り込んだ上で,改善策もまとめて,最終報告としてまとめたいと,こういう段階的な流れでおります。
 中間報告の内容につきましては,出入国在留管理庁の方に,是非,詳細をお問い合わせいただきたいと思います。
 死因の特定うんぬんの話でございますが,トータルとして様々な評価の上でということでありますので,その旨の言及につきましては,今の段階では差し控えさせていただきたいと思います。
 この中間報告に関してはオープンになっている状況でありますので,是非,出入国在留管理庁の方にお問い合わせいただきたいと思います。

【記者】
 最終報告はいつまでということで指示を出されているのでしょうか。

【大臣】
 最終報告はできる限り速やかにということであります。期限を設定してラッシュするということもありますが,今回は中立公正な報告を求められていると思っておりまして,そのことについてはできる限り速やかにということであります。
 その限りでありますが,今申し上げた趣旨で中間報告もお出しさせていただきましたので,皆さんからの,いつまでとの御指摘もありますが,私の口から,これまでにやりなさいということを指示するということよりも,事の性質上,しっかりとした形で調査をした上でと思っておりますので,その限りでございます。今の段階ではそう申し上げるところであります。

【記者】
 取材をしていると,医師側から,ビタミン不足でかっけ等の症状を発症していたのではないかという指摘がございます。もしそういう原因だとすると,単に悪化してからの食生活だけでなく,それ以前の段階からどのような食事を取っていて,ビタミンが不足していたかどうかという,食事の内容に踏み込む必要があるのではないかなと思います。
 川口署でも,収容されている方が,栄養失調状態になってビタミン剤を投与されたというニュースも出ました。こういった点も含めて,見直しているのか,もしそれが不足している場合,見直す必要があるのではないかと思うのですが,この点大臣いかがでしょうか。

【大臣】
 私から細かく指示をすることについては,私自身医師ではございません。そうした医療的なところについては,やはり医師の御指導のもとで,診療所もございますし,また,外部の病院にもお連れをするということです。普段から提携をしている病院に伺い,診療科目がない場合には,それに適したところを紹介をしていただいていくという,これは通常,今やっていることであります。
 これに照らして調べているものと思っておりますが,あまり内容について踏み込むということになりますと,客観中立性を損なうということになりますので,外部の様々な有識者の方々に入っていただいて,客観性と中立性を保つということを,骨として取り組むようにと指示しております。今の御指摘そのものに対しましても,私から申し上げることができない状況です。
 いずれにしても,出入国在留管理庁の方に是非お問い合わせいただきたいと思います。

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