法相会見(2021年5月18日)名古屋出入国在留管理局被収容者死亡事案等に関する質疑について

法務大臣閣議後記者会見の概要「名古屋出入国在留管理局被収容者死亡事案等に関する質疑について」(2021年5月18日)(外部リンク:法務省ウェブ

名古屋出入国在留管理局被収容者死亡事案に関する質疑について 

【記者】
 亡くなったスリランカ人女性をめぐって,御遺族は大臣との面会を求めていて,今日面会されるとの話です。
 これまで,最終報告を待つ立場として御自身が面会されることは否定されておりましたが,今日はどういう立場で御遺族と面会されて,どういうお話をされるのか教えてください。

【大臣】
 私は,今こうして,法務大臣として,記者会見に臨ませていただいております。この間の答弁におきましても,法務大臣としての立場の中で答弁をしてまいりました。
 今回の事案に関しましては,第三者を加えた公平・客観的な調査の実施を指示し,現在,調査の結果として取りまとめられる最終報告を待つ立場でございますので,御遺族に直接お会いすることについては適切でないと御説明をしてきたところでございます。
 他方,私自身,今回,御遺族が異国の地で肉親を亡くされまして,大変苦しい御心情であるということについては,私自身も子を持つ母でございますので,痛切にそれを感じているところでございます。
 御遺族の心情に寄り添いさせていただきまして,私の心からのお悔やみを申し上げたいということを考えているところでございます。

【記者】
 今の御発言ですけれど,これまで何度聞いても,途中なので適切ではないと思うという発言でした。
 今回,大臣が変わったのは,官邸から何らかの指示が出た,こういうことがきっかけになっているのではないですか。御遺族に会う理由としては突然なので,官邸からの指示があったのではないでしょうか。いかがでしょうか。

【大臣】
 ただいまの御質問に対して,お答えは差し控えさせていただきます。
 私は先ほど申し上げましたとおり,法務大臣としての職責を果たすということに徹して,この間,動いてまいりました。
 調査の指示におきましても,私自身が判断をしながら,客観・公正に行うべきことであるということを指示し,この件に関して,それ以外の指示を外部からすること,いろいろな指示を外部からすること自体,介入ととられるということで,この客観・公正が損なわれるということを大変慎重に考えて行動してまいりました。
 その意味では,法務大臣としてお会いするということについては,申し訳ございませんができないということを申し上げてきたところであります。
 突然変わったということでありますが,法務大臣としてお会いするという立場ではございません。私自身,政治家でありますし,また一人の人間であります。御遺族の方に,こういう気持ちの部分を,お悔やみを申し上げるということをお伝えしたいという思いでございます。

【記者】
 一つ確認ですが,衆議院議員上川陽子さんとしてお会いになるということでしょうか。

【大臣】
 一人の人間として,上川陽子としてお会いするということです。
 これは,私は政治家である前に一人の人間であります。私の属性もそういうものであります。機械でもございません。
 そういう意味で,私は今,法務大臣として務めを果たすという意味でのことについては,最大限,自分がやるべきことについて申し上げてまいりました。
 先ほどの何をもってそういうふうに変化したのかということについては,変化をしておりません。どういうタイミングでということについては,まだはっきりしておりませんけれども,人としてお悔やみを申し上げたいという思いで,そういう気持ちを伝えたいと思っておりますし,また,御遺族の気持ちにも寄り添いたいと思っております。

【記者】
 今日遺族としては,この入管庁の報告書,そして入管庁を取り仕切る法務省のトップの大臣から,直接謝罪も含めた言葉をいただけるのかなと思っていると思うのですが,今日の面会というのは,法務省としてではなく,飽くまでも一個人だという理解ですね。
 そうなると,あちら側の遺族の受け止めというのもちょっと変わってくると思うのですが,そういう個人的な判断で,6時以降に会うという決断をされたという理解でいいですね。
 つまり,法務省としては,現段階で遺族に会うことはよろしくないと,また適切でないと考えているという理解でいいですね。

【大臣】
 御遺族が来日されていらっしゃるということでありますし,私は御遺族の気持ちに寄り添いながら,弔問というかお悔やみの気持ちを直接お伝えしたいなと思っておりましたので,個人的というのは一人の人間としてお会いするということであります。
 何か肩書きをつけて,あるいは法務大臣としてということも,また衆議院議員だからということではなく,一人の人としてお会いすると,直接お悔やみを申し上げたいという気持ちの表出であります。

【記者】
 その判断は官邸からそう言われたので,一個人としてということでいいですか。

【大臣】
 こうしたことを誰かから言われてすべきものでしょうか。

【記者】
 それであれば初めからできますよね。そういうことであれば。

【大臣】
 そういう御質問については,私は今申し上げたとおりでございまして,自分の気持ちの中の一つの表出として,直接お悔やみを申し上げたいと考えております。

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