法相会見(2021年6月29日)名古屋出入国在留管理局被収容者死亡事案に関する質疑について

法務大臣閣議後記者会見の概要「名古屋出入国在留管理局被収容者死亡事案に関する質疑について」(2021年6月29日)(外部リンク:法務省ウェブ

名古屋出入国在留管理局被収容者死亡事案に関する質疑について 

【記者】
 名古屋入管で3月6日に死亡したスリランカ人女性の収容問題に関する法務省・入管庁の最終報告の公表が7月中ということで,1か月以内にあるのだろうと思います。この件に関しては,先般の国会での入管法改正案の審議でも,特に中間報告の内容を巡り,入管行政そのものの信頼性が根底から問われるということで,法案審議の大前提として取り上げられ,上川大臣と入管庁次長が主に答弁されました。
 結局,中間報告については,大臣も御存じのとおり,極めて問題が多かったこともあり,国会審議が進まず,法案審議がほとんど行われず成立が見送られた形になっています。
 スリランカ人女性死亡事件後も,名古屋入管では適切な医療が行われなかったり,長期収容に苦しんでいる被収容者が何人も存在し,面会支援者が6月23日に申入れを行いました。この間の処遇改善や再発防止,名古屋入管の担当者との協議の場を求めて,6回から7回も名古屋入管局長に対して申入れを行っていますが,名古屋入管はそういった協議に応じようとしていません。申入書は受け取っていますが。
 スリランカ人女性死亡事件の真相の究明は,名古屋入管だけの問題ではなく,また,医療・処遇だけの問題ではなく,誰が責任を持って外部診療の対応に当たるのか,仮放免の判断の在り方,またスリランカ人女性のようにDV被害に遭われた方への対策や,生活困窮している留学生の在留特別許可の問題など,入管行政全体に関係してくる問題です。
 大臣は,この間の国会審議の内容や,弁護士会の意見書,支援団体からの申入れ,スリランカ人女性の御遺族との面会など,こういったものを踏まえて,どのような観点からの最終報告書を出すようにと,具体的にどういう指示をこの最終報告に向けて出しているのかお答えください。

 

【大臣】
 ただいまの御質問でございますが,累次に,この記者会見でも質問を頂いてまいりまして,私はできる限り速やかに,最終報告を取りまとめるべく,最善の努力をするように指示をしていると,重ねて御説明をしてまいりました。
 出入国在留管理庁の調査チームは,現在,外部の第三者の方々に加わっていただきまして,最終報告に向けて,関係資料の分析ですとか,あるいは第三者である医師からの医学的所見の聴取を含めた幅広い関係者からの聴き取り,そして事実関係の評価及びこれに基づく再発防止策の検討などの調査・検討を進めているものと承知しております。
 出入国在留管理庁に対しては,本件に対する様々な御指摘を真摯に受け止め,十分な内容の最終報告書を,できる限り速やかに取りまとめるために,最大限の努力をするようにと指示しておりまして,今,同庁におきまして,調査・検討に全力を挙げているものと理解しているところでございます。

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