声明・提言等(2021年2月19日) #入管法改悪反対! 第2弾「#送還忌避罪の新設に 反対します 」

「#送還忌避罪の新設に 反対します 」(#入管法改悪反対! 第2弾)[PDF]

作成:全国難民弁護団連絡会議

日付:2021年2月19日

 法務省が作成した法案は、次のような命令を発する権限を主任審査官に与え、命令に違反して、命じられた行為をしなかった者を1年以下の懲役又は20万円以下の罰金に処するとしています(52条12項と72条6号、55条の12と72条8号)。

・旅券発給申請その他送還に必要な行為として法務省令で定める行為を命じる。

・送還先が送還に協力しない(渡航文書発給をしない等)場合、及び本人が過去に送還を妨害したことがあり、再度同様の行為をする恐れがある場合に、退去を命じる。

 退去命令については、難民認定申請による送還執行停止や、退去強制の処分の効力に関する訴訟継続と送還執行停止決定がされた場合に、効力が停止されるとされていて(55条の12第2項)、一旦処罰対象から外れるようです。

 これらの命令制度と犯罪の創設に、反対します。

 以下のとおり、法律上の問題があります。

1 送還禁止(ノンルフールマン)原則違反

 しかし、帰国すれば人権侵害を受ける人たちに、旅券発給その他送還に必要な行為を刑罰で強制することや、退去を命じることは、難民条約33条、拷問等禁止条約3条、強制失踪条約18条違反のおそれがあります。

 提訴期間経過を待たずに退去命令が発せられることが予定されており、裁判を受ける機会を奪いかねません。

 また、提訴準備中や再申請準備中に違法に送還されそうになって抵抗した場合でも、送還を妨害したとして処罰対象にされかねません。

2 難民への攻撃

 また、旅券発給申請を強要することは、在日の本国の大使館との連絡を強いることです。大使館との連絡によって難民申請者の個人情報が把握され、危険が高まり、難民らに対する危険を増大させかねません。

3 難民条約31条との関係

 旅券発給命令違反罪は、難民認定申請中、補完的保護申請中、訴訟中、退令執行停止中も処罰対象となり得ます。

    また、いずれの犯罪も、後日、仮に難民認定や補完的保護を受けても、職権在留特別許可を受けても、それ以前の行為が処罰対象から外れません。これは、難民条約31条違反の疑いが濃いです。

4 罪刑法定主義との関係

 命令内容を省令に委任すること、発令が裁量に委ねられている命令を犯罪の基礎とすることは、罪刑法定主義に反する疑いがあります。

 また、退去命令の一時的失効については、基準が曖昧で、認識しにくく、この点も罪刑法定主義に反する疑いがあります。

5 国籍差別の疑い

 55条の12第1項第1号の退去命令に基づく犯罪は、特定の国籍の者だけを対象にしています。このような犯罪は、国籍差別の疑いがあります。

6 刑の均衡

 単なる行政命令違反で、公共の危険を生じないことがらに、懲役刑は重すぎます。旅券不携帯は10万円以下の罰金だけであることとも不均衡です。

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