国会質疑等(2020年11月17日)伊波洋一議員(沖縄の風)@参・法務委員会[入管収容に関する国連恣意的拘禁作業部会の意見、ほか]

発言者:伊波洋一議員(無所属・沖縄の風)
日付:令和2年11月17日
会議:第203回国会 参議院法務委員会(第2回)
概要:入管収容に関する国連恣意的拘禁作業部会の意見

参考:国会会議録検索システム
参議院インターネット審議中継

第203回国会 参議院 法務委員会 令和2年11月17日(抜粋)

○伊波洋一君

〔省略〕

続いて、入管収容について伺います。

2020年9月、国連人権理事会の恣意的拘禁作業部会は、日本の入管収容は国際法違反との意見を発表したと承知していますが、日本政府に対し、具体的にどのようなことを求めているのでしょうか。

○政府参考人(河邉賢裕君)

お答え申し上げます。

本年9月、国連の恣意的拘禁作業部会が、退去強制が決まった2名の外国人に対する入国管理センターへの長期収容が国際法違反であり、恣意的拘禁に当たるとして、出入国管理及び難民認定法の見直し等を求める意見書を日本政府に送付してきたところであります。

同作業部会の意見書では、日本政府に対し、例えば以下のようなことを求めています。当該2名の外国人に対して事態を改善するための必要な措置をとること、当該2名の外国人の自由の恣意的な剥奪を取り巻く状況について完全かつ独立した調査の実施を確保すること及び責任者に対して適切な措置をとること、自由権規約上の日本が負う義務と両立するよう入管法の見直しを行うこと、また、フォローアップとして、6か月以内にこれらに関連する情報を提出することを求めております。

○伊波洋一君

作業部会が見解を出すに当たっては、通報の内容や弁護団からの情報提供だけではなく、それに対する政府からの回答も聞いていると承知しています。日本の状況をよくよく把握した上でこのような意見が出ており、人権理事会の理事国である日本にとって非常に重大な指摘だと思います。

外務省としてはどのように捉えているのか、伺います。

○政府参考人(河邉賢裕君) 

お答え申し上げます。

現在、意見書につきましては、法務省において内容の精査が行われているものと承知しております。外務省といたしましては、関係省庁と連携し、しかるべくフォローアップの回答を提出する必要があると考えております。

○伊波洋一君

作業部会の意見が発表されて1か月以上経過していますが、これまでどのような対応をされてきたのでしょうか。

○政府参考人(高嶋智光君)

お答えいたします。

この作業部会の意見書に対する対処でございますけれども、まず最初に、この問題となりました2人の外国人につきましては、いずれも作業部会からの意見書が出される以前から既に仮放免になっておりまして、現在も仮放免中であります。

その上で御説明しますと、この意見書につきましては、元々いずれの事案における収容も、詳細のコメントは、詳細についてお答えするのは差し控えたいと思いますけれども、いずれの収容も法令に基づく適正な手続として行っているものでございまして、作業部会に対しては恣意的拘禁には該当しないというふうに説明しておるところでございますが、このような今回の意見書となったということでございます。

現在、当庁では、先ほど外務省からも御説明のございましたとおり、意見書の内容を精査、検討しており、なぜこのような意見書になったのか、十分な精査、検討を行った上で、外務省を含めた関係省庁と連携し、適切に対応してまいりたいと考えております。

なお、当庁におきましては、現在、収容・送還に関する専門部会の提言を踏まえた入管法の改正案につきまして検討を行っておりまして、収容の在り方や新たな収容代替措置、収容に代わる措置、収容代替措置の創設もその検討事項に含まれているところでございます。

様々な御意見をも踏まえながら、できる限り早期に成案を得ることができるよう、この検討を進めてまいりたいというふうに考えております。

○伊波洋一君

ただいまの答弁は、何かこう日本がやっていることは正しいんだという言いぶりなんですけれども、この恣意的拘禁作業部会の勧告の101から106までですか、で、いわゆる具体的に、先ほど答弁したように指摘があったんですけれども、つまり、日本が当たり前に見ているものが実は国際的には国際法違反なんだと、こういう指摘なんですよね。私たちが見ているものは見慣れているからそのとおりで当たり前みたいに見える。だけど、その日本のやり方がもはや国際法違反なんだという指摘なんですよね。

つまり、やはりここはしっかり考え変えていかなきゃいけないんだろうと思います。つまり、やはりこれから共有、共通の価値観とかということをずっと言いつつ、国際社会の中に日本の位置を位置付けようとしている日本が、実際に起こっている外国人に対する対処が全然こうなっていないという指摘なんですよね。

そこで、上川大臣が今回の所信の挨拶でも被収容者の人権に配慮した適切な処遇の実施を徹底していくとおっしゃいました。6か月以内に作業部会に対して情報提供が求められる事項があり、その中には例えば法改正とか、あるいは実務上の変更が含まれています。どのように対応される予定でしょうか。御答弁をお願いします。

○国務大臣(上川陽子君)

今回の事案につきまして、今作業している状況でございますので個別にはお答えを差し控えさせていただきたいと存じますけれども、作業部会のフォローアップは極めて重要だというふうに認識しておりますので、その意見書の内容につきまして十分に精査した上で、関係省庁と連携を取りながら、また適切に対応してまいりたいというふうに思っております。

○伊波洋一君

是非、国際社会にもやはり理解できる対処が我が国で行われるよう求めて、終わりたいと思います。

〔省略〕

〔了〕

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