法相会見(2023年6月9日)入管法改正法案;大阪入管局の常勤医師等

法務大臣閣議後記者会見の概要 令和5年6月9日(金)(外部リンク:法務省ウェブ


入管法改正法案に関する質疑について 

【記者】
 昨日の参院法務委員会で、入管難民法改正案が採決・可決されました。難民認定の手続についてなど、なお批判の声もありますけれども、それを踏まえて、大臣の所見をお伺いします。

【大臣】
 まず、本法案につきましては、昨日、参議院法務委員会において賛成多数で可決していただいたところでありまして、まだ手続は終わっておりませんので、政府として引き続き成立に向けて努力していきたいと思っています。
 私は、社会経済のボーダーレス化が急速に進む時代の流れの中で、世界におけるすう勢と同様に、外国人と共に生きていく共生社会の実現というものは、我が国でも求められているものでありまして、そのためには、日本人と外国人が互いを尊重し合うことが前提になるのではないかと思っています。
 我が国にいる多くの外国人の方々は、ルールを守っている中にありまして、その中で、ルールを守っていない方々が増え続け、それを放置した状態とすれば、ひいては、外国人全体へのいわれない不信感を抱かせることにもつながりかねないということでありますので、共生社会の実現の障害となりかねないと。
 本法案による諸施策の実現は、そういった意味では、外国人の人権尊重と国民の安全・安心とのバランスがとれた共生社会の実現・維持の基盤を整備するものでありまして、ルールにのっとった適正な外国人の受入れ実現にも資するということですので、私は大変重要な法案だと思っています。
 法案の内容及び必要性について、広く国民の皆様に御理解いただけるよう説明を尽くしてきておりますけれども、引き続き努力していきたいと考えています。

【記者】
 国会の審議で、迅速な処理が可能かつ相当な事件が臨時班で処理されているというのが何度か出ましたけれども、改正法が成立した暁にはこうした案件というものは相当数減っていくという理解でよろしいでしょうか。

【大臣】
 まだやってみないと分からないところは当然、どういう申請状態になるかというのはなかなか申し上げにくい状態だろうと思っていますが、法改正ができても、やはりそういう案件は残るのではないかというふうに思っていますので、一つ一つ丁寧に判断していきたいということに尽きると思います。

【記者】
 それを解消する目的もあるという理解で良いですかね。

【大臣】
 そうですね。同じような案件を繰り返して申請されるケースも当然ありますので、そういう意味では改善を図れるのではないかと思っています。

【記者】
 昨日の法務委員会の答弁で、大臣から、こどもとその家族の在特の関係ですけれども、一人でも多く新しいルールで救っていきたいとおっしゃいました。この新しいルールというのは、新ガイドラインのことなのか、それとも補完的保護対象者とかそういうのを念頭に置いているのか。ただ、施行前までに結論を出すというお話でしたので、そことの関係についてもお話しいただければと思います。

【大臣】
 国会でも何度か答弁させていただいていますけれども、お子さんについて、私自身、何とかしてあげたいという思いが強くありますので、前進を図っていきたいという強い気持ちを持っているわけでありますが、ただ、色々なケースがありますので、それを精査した上で、どういうふうなルールに基づいてこの問題を判断するのが良いかということに、そういう順番になってくると思いますので、その精査がまだ十分できていないということですので、その後のルールがどうなるかについては、まだ今の段階でコメントをすることはできないですけれど、できるだけ早いタイミングで結論を出していきたいというふうに思っています。


大阪入管局の常勤医師等に関する質疑について 

【記者】
 酒酔い医師ですね、大臣が2月下旬に知っていたのにやはり隠していたのではないかというところが相変わらず。

【大臣】
 大阪(入管局の件)ですね。

【記者】
 はい、大阪(入管局の件)です。女性医師が、今、調査を拒否しているとはいえ、発表しなければならない案件だと思います。大臣として発表する気があるのか、それから、今回、法案が昨日可決されたことで、闘ってきた支援団体と一緒にやってきたロヒンギャの方は、ショックで自殺するのではないかということで、今、付き添いの方が付いているぐらい、法案で四千数百人が対象とされてしまうことで、怯えているこどもたち、親御さんたちが出ていると。そういった人たちに、大臣としてどういう言葉をかけたいのか。難民参与員制度、色々な問題がクローズアップされました。第一次審査も入管庁の職員しかいなくて、立会弁護人や録音・録画も認めてない。第一次審査でさえ問題が多々あると言われています。こういったことを、法案が通っても大臣が見直していくというつもりであるか、ここもお聞かせ願えますか。

【大臣】
 まず、大阪(入管局)の件につきましては、これも何回も御紹介させていただいていますが、本件は、訴訟になる可能性があるということでありますので、この事実関係の確認というのは、我々が当事者になりますので、慎重な上にも慎重に判断をしていかなければならないということでありますが、ある程度確信が持てる段階になりましたら、それは公表は考えていきたいと当然思っているところです。我々が当事者であるというところを御理解いただきたいというふうに思っています。
 それから、二つ目につきましては、これで一刀両断に決めるわけではなくて、前にも申し上げておりますように、色々な在留特別許可の話もありますので、そういうことは一件一件判断を積み重ねていくということになっていますので、そこは御理解をいただきたいというふうに思っています。
 それから、審査の過程です。難民の審査の過程におきましては、様々な御意見があることはもちろん承知しているわけですけれども、これもたくさん答弁をさせていただいたわけですが、皆さん、柳瀬さんのことを出します。柳瀬さん以外の方も、なかなか(難民を)拾うことができないという御発言をしており、裁判の結果もそれを裏付けるような傾向が出ているということでありますので、私は、慎重にやっていかなければならないし、常に自分の判断、役所の判断は間違いがないかどうかというものは胸に手を当てながらしっかりやっていかなければならないと思っていますが、今、その制度を変えなければならないというふうには思っていないということです。

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