入管資料(2018年4月27日)「不法就労等外国人対策の推進について」

「不法就労等外国人対策の推進について」(平成30年4月27日付け法務省管警第93号法務省入国管理局警備課長通知)[PDF](全難連開示行政文書)

日付:2018年4月27日

作成:法務省入国管理局長

法務省管警第9 3号
平成3 0年4月2 7日
地方入国管理局長 殿
地方入国管理局支局長 殿
法務省入国管理局警備課長 君 塚 宏
(公印省略)
不法就労等外国人対策の推進について(通知)
新規入国者数は, 一昨年, 政府が閣議決定し, 東京オリンピック ・ パラリンピ
ック競技大会が開催される2 0 2 0年の訪日外国人旅行者数を4, 0 0 0万人と
する目標が盛り込まれた「日本再興戦略2 0 1 6」等の一連の観光立国政策推進
に向けた施策が奏功し, 急速に増加しています。
一方, 不法残留者については, 平成16年から実施した「不法滞在者5年半減
計画Jにより大きく減少し, 平成2 6年には6万人を下回りましたが, 平成2 7
年に増加に転じてからは増加基調にあり, 違反の態様も不法残留や不法入国とい
った形態から, 偽装滞在による不法就労事案など, より悪質化, 巧妙化しており,
不法残留者, 不法就労者の縮減は, 喫緊の課題となっています。
これらの状況を踏まえ, 本年4月2 6日, 警察庁・法務省・厚生労働省の三省
庁による不法就労外国人対策等関係局長連絡会議が開催され, 不法就労機会の撲
滅に向けた取締り, 取締り強化に向けた緊密な情報交換並びに不法就労防止に向
けた広報・啓発活動及び指導の積極的実施を骨子とした「不法就労等外国人対策
の推進(改訂) Jを合意するに至りました。
ついては, 各地方入国管理官署においては, 入管法違反者の縮減に向けて努力
いただいているところ, 本合意の内容を踏まえ, 入国警備官の調査権限や, 情報
を最大限に活用した効率的な違反調査に努めるとともに, 関係各官署との連携体
制を強固にして, 不法滞在者の縮減に向けて, 効率的かつ強力に業務を推進いた
だきますよう願います。
なお,管下出張所長に対しては,貴職から通知願います。
添付物
不法就労等外国人対策の推進(改訂)
本信写し送付先
入国者収容所長
1部不法就労等外国人対策の推進(改訂)
平成30年4月26日
警察庁
法務省
厚生労働省
“警察庁 ・法務省・厚生労働省の三省庁(以下「三省庁Jという。)は, 当時その増加
が社会問題となっていた不法残留者を始めとする不法就労等外国人への対策強化の一環
として, 平成4年に三省庁の関係局部長を構成員とする不法就労外国人対策等関係局長
連絡会議を設置し, これまで閉会議を通じて, 不法就労等外国人に対する具体的施策の
立案や, 三省庁の第一線機関聞の連携強化策を講じた結果, 不法就労等外国人は順調に
減少してきた。
その一方で, 過去の不法就労等外国人の態様は, 不法残留や不法入国という, いわば
単純な形態であったが, 時代が変わるにつれ, その態様も大き《変化してきた。
すなわち, 近年においては,
・ 表面上は正規の在留資格を有するものの, その実態は在留資格に応じた活動を
行うことなく, 専ら単純労働に従事するなど, 偽装滞在して就労する事案
・ 実際には条約上の難民に該当する事情がないにもかかわらず, 濫用・誤用的に
難民認定申請を行い. 就労する事案
・ 技能実習生が, より多くの報酬を求めて技能実習先から失綜して, 他所で就労
する事案
・ 留学生が, 中途退学処分を受けた後も帰国することなく残った在留期間を利用
して, 就労する事案
・ 偽変造の在留カード等を行使して, 就労する事案
など多様化し,我が国に在留し, 就労するための手口が, 年を追うごとに悪質かつ巧妙
化している。
このような不法就労等を企図する外国人や, これらを承知で雇用し, その弱みにつけ
込み労働搾取を図る悪質な雇用者の存在は, 我が国の労働市場に悪影響を及ぼすだけで
なく, 地下銀行を利用した不正送金等の犯罪インフラ事犯や人身取引事案の増加に拍車
をかけることにつながりかねない。
このような中, 政府は, 2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向
けて「世界一安全な国. 日本Jを創り上げることを目指している。 平成25年に策定さ
れた「『世界一安全な 日本』創造戦略Jでは, 不法滞在・偽装滞在者の積極的な摘発を
図り, 在留資格を取り消すなど, 厳格に対応することとしている。 また, 平成26年に
策定された「人身取引対策行動計画20 1 4 Jにおいても, 人身取引等の国際的な組織
犯罪対策として, 不法就労事犯に対する厳正な取締りを強化するとともに, 不法就労防
止のための広報・啓発を推進することとしている。 このように, 政府全体を挙げて不法
残留者を始めとする不法就労等外国人に対する取組を続けているところである。
加えて, 我が園は, 平成29年6月に組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関
する法律が改正されたことを踏まえ, 同年7月には, 国際組織犯罪防止条約の内容を補
足する多国間条約であり, 人身取引の被害者の保護等について規定する「人身取引議定
書」を締結し, 国際的にも, 人身取引に対して一層厳正な姿勢で臨むことが期待されて
いる。 人身取引を助長・促進する不法就労助長事犯等についても, より一層厳正に対処
していく必要がある。
ついては. 三省庁においては, 不法就労等外国人を取り巻く現状認識を共有するとと
もに, 第一線機関においても, その連携を更に強固にし, より積極的に対策に取り組む
ため, 別紙のとおり, 『不法就労等外国人対策の具体的内容(改訂) Jを新たに取りま
とめ, 不法就労機会の撲滅に向けた取締り, 取締り強化に向けた緊密な情報交換及び不法就労等防止に向けた広報・啓発活動及び指導の積極的実施について, 一層強力に推進
していくこととしfこ。不法就労等外国人対策の具体的内容(改訂〉
別紙
都道府県警察〈警察〉, 地方入国管理局(入管局〉, 都道府県労働局(労働局〉は, 不法
就労等外国人苅策の一層の推進のため, 協力関係の更なる強化に努め, 以下の具体的施策に
積極的に取り組む。
1 不法就労等の撲滅に向けた取締り
( 1 )警察及び入管局による不法就労助長事犯(悪質な雇用主, あっせんブロー力一等〉の取
締り強化並びに労働局による不法就労助長行為事業主に対する労働者派遣事業又は職業紹
介事業の許可取消し処分に向けだ警察及び入管局との連携強化
(2)警察及び入管局による不法就労事犯(偽造在留カード行使等事案, 難民認定申請を悪用
した事案等〉の取締り強化
(3)警察及び入管局による偽装滞在等事犯〈偽装結婚事案, 虚偽事由届出等事案, ブローカ
一等〉の取締り強化
(4)不法就労等外国人が関係する労働関係法令違反事犯(強制労働禁止の罪, 中間搾取の罪,
無許可職業紹介事業の罪, 労働者供給事業禁止の罪等〉の取締りに向けた労働局と警察及
び入管局との連携強化
(5)警察, 入管局及び労働局による人身取引事犯に対する迅速かつ積極的な取締りと外国人
被害者の適切な認知・保護
2 取締り強化に向けた緊密な情報交換
( 1 )警察, 入管局及び労働局による不法就労事犯・不法就労助長事犯取締りのための円滑な
情報共有
(2)警察, 入管局及び労働局による労働関係法令違反事犯及び人皇取引事犯取締りのための
円滑な情報共有
(3)警察, 入管局及び労働局による上記事犯の犯罪擾査, 違反調査等における法令に基づく
照会に対する迅速な対応
(4)雇用対策法第29条に基づく厚生労働省から法務省への適切な情報提供と入管局におけ
る情報の積極的な活用
3 不法就労等防止に向けた広報・啓発活動及び指導の積極的実施
( 1 )警察, 入管局及び労働局による不法就労防止のだ めの広報・雷発活動の積極的な推進
(2) 入管局及び労働局による事業主に対する外国人雇用状況届出の履行の徹底と不法就労防
止のための指導の促進
(3)警察, 入管局及び労働局による不法就労助長行為等の倹挙事案等の積極的な広報

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