発言者:高井崇志議員(国民民主党) (ホームページ/Twitter)
日付:2021年5月12日
会議:第204回国会 衆議院法務委員会
○高井委員 国民民主党・無所属クラブの高井で
ございます。
今日、初めて長官に来ていただきました。前回
の質疑で、松本次長が実は四か月しかこの入管で
働いたことがなかったということが分かったわけ
です。全く、ずっと答弁をされていた松本次長が
そうで、まあ正直言って、ずっとこの法案を作っ
てきたのは長官ですよ、プロパーで。長官に是非
聞きたいと思います。本音をお聞かせください。
まず聞きたいのは、なぜ今こういう事態になっ
ているかと。今回の法改正でこんなにもめてしま
っている。これ、聞きたいんですけれども、時間
がないから私が答えを言いますよ。入管に信頼が
ないからです。今回の法改正は入管の権限を大き
く拡大するものなんですよ。その権限に見合うだ
けの信頼がないから、こういうことになっている
んです。
その象徴的な事例が、今日お配りしましたけれ
ども、東京新聞に昨日報道された件ですけれども、
これ、支援団体のSTARTの顧問の松井さんが、
三月六日の死亡直前まで三十回にわたる面談や電
話、二十二回の聞き取りメモを三月二十六日に入
管に提出しているわけですよね。これをまず読ま
れたのかどうか。そして読んでどう感じたか、是
非聞きたいと思うんです。
これ、記事だけ見ても相当ひどいですけれども、
私、この提出したものをいただいたんですけれど
も、例えば亡くなる前々日、三月三日ですね、三
日前ですけれども、夜は職員が来ない、別の仕事
があるから行けないと言われた、水も飲めない、
食べられない、トイレにも行けない。そして、面
会後にこの松井さんが処遇部門に申し入れて、こ
のままでは死んでしまう、すぐに入院させて点滴
を打ってもらいたい。これに対して職員は、予定
は決まっていると答えるのみ。
このウィシュマさんは元々病気で、点滴を打っ
てこれまでも治ってきたんですよ。そういうこと
も職員に伝えてあったということです。
さらには、これは記者さんから聞いたんですけ
れども、松井さんや真野さんが入管の職員といろ
いろやりとりして、いろいろ、ここに載っていな
いひどいこともありました。例えば、ベッドから
転げ落ちてしまうだろうと言ったら、入管の職員
は何と、ビニールシートが敷いてあるから大丈夫
だ、こういうようなことを言っているわけですよ。
こういうことをまず長官は全部ちゃんと聞いてい
るのかと。この面談記録はさすがに読んでいると
思いますけれども、そのほかにも、この真野さん
とか松井さんとか、そういう方からちゃんと話を
聞いて、その上で中間報告を作ろう、そういう姿
勢を持っているのかどうか。そのことをまずお聞
かせください。
○佐々木政府参考人 お答えいたします。
中間報告を作成するに当たっての原資料といい
ますか、現場にありました関連資料につきまして
は目を通した上で、なおかつ、調査に入りました
職員から、その調査の内容等々について報告を受
けております。
○高井委員 じゃ、聞きますけれども、名古屋入
管局の職員の対応は適切だったと思いますか。そ
れから、なぜ今、こういったことを中間報告に入
れなかったんですか。
○佐々木政府参考人 現在、最終報告に向けて更
なる調査を行っているところでございますけれど
も、今、本庁といたしましては、名古屋局の対応
について、例えば、内部、外部のお医者さん、そ
れから医療機関としっかりコミュニケーションを
取っていたのか、それから、亡くなられた方の病
状に応じた適切な対応を取っていたのか、それか
ら、仮放免をもしした場合に、その後、支援者の
お力などもおかりして、その方がどのような境遇
になり得たのかというようなところに着目をしな
がら、更なる調査をしているところでございます。
最終報告におきましては、その評価、判断を含
めて明らかにしたいと思っています。
○高井委員 再度聞きます。これ、答えられなか
ったら止めてくださいね。
なぜ中間報告に入れなかったんですか。それだ
け答えてください。
○佐々木政府参考人 中間報告の位置づけといい
ますか性格でございますけれども、表記もしてご
ざいますが、これまでの調査により判明している
限度で、この方の健康状態の推移、あるいは診療
経過などの事実経過をこの段階である程度まとま
った形で明らかにすることが相当であると記載を
しているとおりでございまして、取りあえず、こ
の方に関連して何が起こったのかということをお
示しするという目的で作成したものでございます。
ただ、その点については、名古屋の対応が適切
であったのかどうかという評価を、更なる調査と
併せてこれから行っていって、最終報告に入れま
す。
○高井委員 いや、答えていただいていませんけ
れども、もう時間なので、最後にもう一問だけ、
済みません、聞かせてください。
何で入管はこうなっちゃったんですか、こんな
組織に。長官、もう三十年以上勤めてこられて。
私は、人事のこともあると思います。この間、
外務省がずっと局長をやってきて、そして、次長
も検察の方が、しょっちゅう、長官も来たり、い
ろいろあると思いますけれども、ここが、入管、
こう変わるというのが明らかにならないと、我々、
到底、賛成どころか採決にも応じられません。
なぜ入管はこんな組織になっちゃったんですか。
長官のお考えをお聞かせください。
○佐々木政府参考人 まず、今回の死亡事件のこ
ととも関連をしまして、私ども入管行政の役目の
一部であります収容、人の身柄を拘束をする、人
を収容するということが非常に責任の重大な行政
であるということを認識をしています。
その中で、現場の職員も緊張を強いられた業務
の中で懸命に業務をしておりますけれども、その
中で、今回の事案も含めまして、検証の結果、反
省すべきものがあるという事案も発生していると
ころは事実でございます。
これに対応しつつ、今回の法制度を変えるとい
うことも、現状の様々な問題点を改善するその一
助とするという目的でこれまで組み立ててきたも
のでございますけれども、反省すべきところは反
省する、それから、時代に合わせたと申し上げて
いいかと思いますけれども、その時代時代の要請、
例えば人権意識の高まりでありますとか、内外か
ら寄せられるお声等々に耳を傾けながら、行政そ
のものをレベルアップしていく、時代の要請に合
ったものにしていくという努力をしつつ、また、
運用面では着実にその制度を執行するということ
で、変化をしつつ、よい行政をつくっていきたい
と思っています。
○高井委員 いや、到底納得できません。是非審
議を続けていただいて、長官に今後お越しいただ
いて、長官からもっとしっかりとした答弁をいた
だきたいということをお願いして、質問を終わり
ます。
ありがとうございます。