発言者:寺田学議員(立憲民主党) (ホームページ/Twitter/Facebook)
日付:2021年5月12日
会議:第204回国会 衆議院法務委員会
○寺田(学)委員 寺田です。
次長に答弁は求めませんので、座っていてくだ
さい。
大臣、早速ですけれども、すごいシンプルな質
問なので通告はしていません。現行の入管法及び、
この改正法案がもし可決してしまった後もそうで
すけれども、執行する上で、国民から入管に対す
る信頼というものは必要不可欠だと思いますか。
○上川国務大臣 今回、外国人の方々が国境を越
えて様々な在留資格で日本に訪れ、また長期で滞
在されるということでございますので、その方た
ちは、短期で目的に全て、目的のためにと同時に、
この日本の社会の中で触れ合うということが極め
て大事であると思っておりますので、その意味で
の共生社会、この中での原点は、国民の理解が極
めて大事であるというふうに思っております。
○寺田(学)委員 それで、最終報告書は時間が
かかると言っているんですけれども、私、すごい
大事なことだと思っているんです。これも通告し
ていないですけれども、シンプルな質問です。入
管が信頼たり得るような組織かどうかということ
を判断する上で、最終報告書というのは重要な報
告だと考えていますか、考えていませんか、どっ
ちですか。
○上川国務大臣 その意味で、客観、中立、そし
て公正な調査ができるように第三者の目線を入れ
るということで今調査をしているところでござい
ますが、最終報告書、そしてそのことについては、
今回の事案はどういう状況だったのかということ
をしっかりとお示しをすること、これが大事であ
るというふうに思っております。
○寺田(学)委員 重要な資料かどうか聞いてい
るんです。
○上川国務大臣 この間、様々な御指摘がござい
ました。その意味で、重要な資料であるというふ
うに認識をしております。
○寺田(学)委員 今日、九分しかないので余り
しゃべれないかもしれないですけれども、これは
ちゃんと僕は議事録に残したい。
今年の三月に女性が亡くなりましたよ。その女
性自身、数か月前から体調を壊して、嘔吐や食欲
不振や歩行困難の状態にあって、自ら点滴や入院、
仮放免を求めていたけれども、それを認めず、点
滴さえ受けさせず、制度的に認められている仮放
免すら措置を取らないで亡くなったんです。加え
て、入管に収容される時点でDVの被害の訴えが
あったにもかかわらず、通訳を伴った事情聴取も
行わず、入管の定める措置に沿ったDV被害者に
対する特別な対応も取られていなかったんです。
こんなずさんなことが明らかになっておきなが
ら、それを検証するはずの中間報告に、仮放免す
ればよくなるという外部医師の診断結果を都合よ
く引用しなかったり、支援団体の面会記録による
体調不良の深刻化の訴えなども報告書に反映して
いなかった。お手盛りですよ。およそ、この事案
の真相解明に向けた真摯なものと言えないような、
ぽんこつな報告書ですよ、ぽんこつ。こんなぽん
こつな報告書を出されて、最終報告も出されてい
ないで、こんな中間報告をもって採決をするとい
うことを与党理事がやっている、僕は感覚が分か
らないです。
何をそんなに急いでいるんですか。稲田さんは
いないですけれども、大口さんも。理由は何なん
ですか。それに答えられなかったら、国対が怖い
からだけじゃないですか、そんなの。
この法律自体、いや、伊藤さんも、委員も分か
ると思いますけれども、法務省がわざとだと思い
ますけれども、空白の部分、白紙の部分が多いで
すよ。もう挙げたら切りがないですけれども、在
留特別許可の手続の詳細、許可基準もそう、ガイ
ドラインの改定内容もそう、監理措置の可否の基
準も条件も、報酬を受ける活動の可否も範囲も基
準も、監理人に届出義務を課していますけれども、
取消し事由の相当の理由の基準、生活状況の届出
の内容、様々白紙のままで、よくこれで採決しよ
うとしますね。立法府としての矜持はどこへ行っ
たんですか。
法務委員会でしょう。法務委員会、僕は初めて
入りましたよ、今回。正義を語る場所なんでしょ
う、法務委員会として。それが何、国対に叱られ
るのが怖いだけなんですか。ちゃんと、いや、僕
は、昔の話をこの間、山花先生が言ってくれて、
園田先生のことですけれども、目が覚めましたよ。
やはり立法府として、法務委員会として矜持を持
っていましたよ、役所に対しても。立法府にはし
っかり明らかにしろと。そういうものがなくて、
これで採決しましょうと言っている時点で、私は
全く賛同できませんし、理解ができません。
答える立場にないので、後で教えてほしいんで
すけれども、何でこんな状態のまま採決を急いで
いるのか、与党の理事さんの発想が分からないで
す。
それで、もう質問時間がないですけれども、山
ほど質問したいんですけれども、入管に対する信
頼は今かなり低いです。その中で何が行われてい
るのか、たとえ法律がどういうふうに組み上がっ
たとしても、それがまともに法律どおりに運用さ
れるかどうかも分からないし、何が行われている
かすら分からないです。
それで、今回通告している一つの質問は、前回
も途中までしましたけれども、諸外国では、難民
認定申請に対する面接で弁護士の同伴を認めてい
る国がかなりあります。オーストラリア、カナダ、
フランス、ドイツ、ニュージーランド、韓国、イ
ギリス、アメリカ。日本は一次面接は認めていな
いんですよ。
昨日の部会で聞きました。何で弁護士さんを同
席させるのは駄目なんですかと言ったら何て言っ
たと思いますか。弁護士が同席したら得心が得ら
れない、ちゃんとした答えが返ってこないと言っ
たんですよ。大口先生、ひどくないですか。弁護
士がいたら正直に話さないと言っているんですよ。
もう、およそ理解できなかったですよ。
それで、大臣、そこはもう昨日聞いたからまず
いいですけれども、だったら、ほかの国は、イン
カメラみたいな感じで、録音とか録画を認めてい
る国は多いです。オーストラリア、カナダ、フラ
ンス、ドイツ、ニュージーランド、韓国とかも認
めています、イギリスとかも認めている。それで、
どういうような面接が行われているのかと見せて
いる、録画しているんですよ。
録画のことは急に言わないですけれども、大臣、
弁護士さんが、しゃべらないでいいですよ、同席
をする、これを認めない理由はありますか。そも
そも、弁護士が面接に同席できないのは、法律で
も、政令でも禁止していないんですよ。単なる入
管の運用ですよ。いいですよ、まずは第一歩で。
しゃべらないで、自分の支援をしてくださるそう
いう弁護士さんが隣に座っている、それを認める
ようにしてください、まず。大臣、どうですか。
〔委員長退席、伊藤(忠)委員長代理着
席〕
○上川国務大臣 申請者の置かれた立場に配慮し
た事情聴取を行うということは重要であるという
ふうに考えております。
これらの申請を審査する側、難民調査官、入国
審査官におきましては、適切な発問や聴取ができ
るようにしっかりと対応していくということが何
よりも大事かというふうに思っております。
この点、今、弁護士等の第三者の同席につきま
しては、各国の事例等も私ども調べさせていただ
いておりまして、トータルとしてどういう形で仕
組みをつくっていくのかということは、個々の国
々の状況がございますが、そうしたものにつきま
しても、様々な調査をしながら、参考にしてやり
たいというふうに考えております。
○寺田(学)委員 一次面接に、いいですよ、本
当はリーガルサポートがしてほしいし、もっと言
うと、この間副大臣にも突然わざと聞いたけれど
も、何を話していいか分からなかったでしょう。
当然ながら、難民認定を求める方々は、何を話し
ていいかなんて、異国の地で分かるわけがないで
すよ。だからこそサポートが必要だって諸外国は
認めているわけですよね。本来であれば、それは、
私はそれを認めたいですけれども、まず第一歩と
して、隣に同席をする、その申請者にとっては心
の安らぎで、本当に自分のことを話しやすくなる
と思いますよ。緊張だって解けるかもしれない。
それをまず認めてください。認めないんだったら、
何で認めないのかをちゃんと教えてください。
○上川国務大臣 まず、難民認定手続の一次審査、
申請者の面接ということでの御質問でございます。
先ほど、ヒアリングの中で私どもの方から答弁
させていただいてきたところだというふうにおっ
しゃっていただきましたけれども、供述態度とか
供述内容、また供述態度、そうしたところからの
信用性を慎重に吟味するということが目的でござ
いまして、この点につきまして、弁護士等の第三
者の同席は適切ではなく、これを認めていないと
いうふうに承知をしているところでございます。
どのように面接をしていくかにつきましては、
海外で様々な面接の手法等もございます。そうい
ったことも随時私ども入手しているところでござ
います。トータルとして、どのようにしたらしっ
かりとそういうことの事情聴取の成果が上がるか、
そして、適切な判断ができるか、このことについ
ては、運用の段階におきましてもしっかりと検討
してまいりたいと思っております。
○寺田(学)委員 残念ながら、もう終わります
けれども、弁護士さんもいろいろいらっしゃると
思いますよ。様々な御懸念あると思いますが、少
なくとも、ブラックボックスになっている今の入
管の方がよっぽど信用できないです。
そういうことを申し上げて、終わります。