法相会見(2022年12月27日)出入国在留管理行政

法務大臣閣議後記者会見の概要「出入国在留管理行政に関する質疑について」(2022年12月27日)(外部リンク:法務省ウェブ

出入国在留管理行政に関する質疑について 

【記者】
 12月21日に、名古屋第一検察審査会が、名古屋入管でのウィシュマさん死亡事件に関して、業務上過失致死罪の成否について再検討するのが相当とする不起訴不当処分を議決しました。御遺族が昨日記者会見したのですが、ウィシュマさん死亡事件の真相究明なしには、入管収容問題の抜本的な改善や、昨年廃案になった入管法改正案の国会審議もあり得ないのではないかと思います。大臣は、衆参両院法務委員会での挨拶で、ウィシュマさん死亡事件についてもコメントをおっしゃいました。ウィシュマさん死亡事件を踏まえて、どのような入管法改正が必要だと思うのか、この間、さまざまな人権規約とか人権条約とか、UNHCRからも色々な指摘がありましたが、大臣が重要と考える入管法改正のポイントがあれば現段階でもよいので、どのように考えているかお聞かせください。
 それから、(本年)10月に東京入管で自殺したイタリア人男性の案件の調査の進捗状況についてもよろしくお願いします。

 

【大臣】
 まず、(12月)21日の名古屋の検察審査会のお話ですけれども、この件については、入管庁の調査報告書は、可能な限り客観的な資料に基づいて、医師、弁護士等の外部有識者の方々に御意見・御指摘をいただきながら事実を確認し、考えられる問題点を幅広く抽出して検討が行われてきたというふうに理解しています。
 この報告書では、医療的対応のための体制整備やその運用が十分でなかったこと、あるいは職員の意識の問題などが指摘されており、このような調査結果を踏まえた改善策を着実かつ迅速に実現していくということが、何よりも大事だろうと考えています。
 それから、イタリア人被収容者の死亡事案についてお話がありました。本件につきましては、入管庁において関係資料の精査に加え、職員等への聞き取りも行った結果、御遺体に感電の痕跡が認められたことや、亡くなられた方の居室が密室であったこと等から、感電による自殺事案であると認定されていると報告を受けているところです。
 また、自殺をうかがわせる本人の言動等は見当たらなかった、それから遺書等も残されていなかったということもありまして、いずれにしても、今後、私どもとしては自殺防止策の一層の徹底、本事案についての全官署への共有、そういったことによって同様の自殺事案が発生しないように努めていくことに全力を尽くしていきたいと思っています。

【記者】
 入管法改正に向けて、この間の大臣が就任されてからの経緯を踏まえて、この点だけは、ちゃんと解消したいということがあれば、この点についておっしゃってください。

【大臣】
 繰り返しになりますが、再度議論をしている最中ですが、今までも申し上げたとおり、入管制度全体を適正に機能させていかなければならないと考えていますので、保護すべき者を確実に保護する、ルールに違反した者には厳正に対処できる制度にするために、長期収容問題、送還忌避問題及び真に庇護すべき者を確実に保護する制度の整備等の現行入管法下の課題を一体的に解決する法整備を行いたいと考えています。いずれにしても今検討中ですので、これ以上は差し控えたいと思います。

1年の振り返りに関する質疑について 

【記者】
 1年の振り返りをお願いしたいのですが、あと数日で今年も終わりますが、大臣にとってどんな年だったか、今年を表す漢字があれば伺いたいのと、来年の通常国会は1月からおそらくされると思いますが、法案提出もされると思いますが、そこに向けての思いと力を入れていきたい政策などがあればお伺いします。

【大臣】
 まず、振り返りますと、皆さんもお感じになったと思いますけれど、ウクライナへの侵略という思ってもいないような、しかも日本の安全保障政策にも大きく影響を及ぼすような出来事が起こったということは、私にとって一番の大きな出来事でありまして、政治の立場にある人間として、こういう大きな出来事が突然起こるということに対しても、常に備えていかなければならないのだなと、改めてそういう緊張感を感じさせた出来事であり、1年だったと思っています。
 法務大臣としては、11月11日に就任して以来、スタッフの皆さんに助けられて、無我夢中で1か月半ぐらい走ってきたなということですけれど、改めて1か月半経って、皆さんとの接触も含めまして、法務省の仕事というのは本当に色々な重いものがあるなということを改めて今、実感しているというのが、正直なところです。
 来年に向かってですけれども、法務省は様々な課題があります。今日御紹介させていただいた第三者委員会もしっかり進めていかなければなりませんし、もちろん入管法の問題も、どうしていくかということもありますし、御案内のように、技能実習や特定技能の見直しというものも重大課題としてありますので、そういう一つ一つ重大な課題を丁寧に進めていきたいということに尽きると思っております。

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