法相会見(2021年4月27日)名古屋出入国在留管理局被収容者死亡事案等に関する質疑について

法務大臣閣議後記者会見の概要「名古屋出入国在留管理局被収容者死亡事案等に関する質疑について」(2021年4月27日)(外部リンク:法務省ウェブ

名古屋出入国在留管理局被収容者死亡事案に関する質疑について 

【記者】
 入管法改正に関してお聞きします。
 スリランカ人女性が亡くなられる2日前に診察された医師の情報提供書に,支援者から「病気になれば仮釈放してもらえる。」と言われた頃から心身の不調を生じ,詐病の可能性もあると書かれておりまして,入管が詐病を疑い,医師に支援者との面談情報が漏れていたことも分かりました。
 結局死因が甲状腺炎からの多臓器不全ということなのですが,入管がこの詐病を疑っていたゆえに,ビタミン剤等の点滴もせず,入院措置ができなかった可能性が指摘されています。
 改めて支援者との面談情報が漏れていたこと,また結果,入管側の詐病という認識がスリランカ人女性の死を招いた可能性,この点について大臣の見解をお聞かせください。

【大臣】
 報道については承知しているところでございます。
 中間報告の詳細に係る部分ということでございますので,出入国在留管理庁にお尋ねいただきたいと思います。
 今回の事案につきましては,必要に応じて更なる事実の確認などを行った上で,今後できる限り速やかに,当局の対応の適否等につきまして,評価・検討を加えて,最終的な調査結果を取りまとめることとしております。御指摘のありました仮放免を行わなかった点の評価につきましても,最終調査結果におきまして,お示ししたいと考えております。

【記者】
 関連で,その支援者との面談の情報が漏れていたこと,この点を大臣は今回の報道でお知りになったのか,それ以前から把握されていたのでしょうか。

【大臣】
 この関係の情報がどのような状況なのかについて,私自身,立場がございまして,客観中立にしていただくということで動いてきたところでございます。今のような御質問に,私からいろいろな情報を申し上げるということは,基本的にはしないという姿勢で臨んでおります。
 第三者の方にも御参加いただく,また,いろいろな御意見もいただいているところでございますので,しっかりとそれに対応して,調査もフォローアップするようにと,これは当然のことだと思っております。
 いずれにしても,いろいろな御質問に関しましては,出入国在留管理庁が対応しております。特に,中間報告を発表しているところでございますので,これに関連しての御質問については,出入国在留管理庁にお問い合わせいただきたいと思っております。

【記者】
 スリランカ人女性に関してですが,同せいされていた男性からDVを繰り返し受け続け,かつ,お金もむしり取られていたという可能性が指摘されています。入管の医療対応もさることながら,国籍にかかわらずDV被害者をどう扱って保護していくのかという点は,法務省・検察庁にとっても非常に重要な点だと思うのですが,中間報告書には,このDV被害に関する記述はほとんどありません。
 最終報告書については,彼女がどのようにDVを受け,収容され,施設内でも元交際相手の脅迫の手紙ということにおびえていたかなど,収容に至る背景事情ということも,入管だけでなく,警察での調書などを調べ,徹底的に解き明かすべきだと思うのですが,この点についてのお考えをお聞かせください。

【大臣】
 様々な御意見や御指摘があるということは承知しております。
 そうしたことも中間報告をお出しした中で,いろいろなフォローアップをさせていただくということでございます。
 また,最終報告におきまして,第三者の目をしっかりと通して見ていただくということが,客観性・公正性の担保の上で極めて重要だと思っておりますので,私自身もそうした調査を待ちたいと思っております。

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