声明・提言等(2021年2月19日) #入管法改悪反対! はじめに

 私たち全難連は,2月19日に政府が閣議決定した法改正の方向性に対して基本的に反対である。

 従前より,日本の難民認定制度が機能していないこと,庇護を求める者にとって庇護の実現がなされない,時間がかかりすぎる等多くの問題を露呈してきた。

 今般の改正のターゲットにされているのは,複数回の申請者等である。しかし,複数回の申請者の中から難民認定もあったし,人道配慮に基づく保護を受けた者らも多数認められた。そのような者らを保護できない仕組みを制度化することは絶対に許されない。

そして,このことは今般のミャンマーの国軍によるクーデターという暴挙を目の当たりにして一層今回の法改正の問題点を浮き彫りにしている。

ミャンマーでは,2011年以後選挙によって政権が構成されるということとなったものの,入管は2011年以後民主化進展したとして,国軍優位の権力の二重構造を正面から捉えることのないままに,極めて安易に抑圧国家から脱却したかのような評価のもとに,ミャンマーの難民申請者の難民性判断がなされていた。出身国情報の評価分析の過ちがそのまま難民認定の質の低下を招き,結果として保護対象者を保護できないという状況を作り出してきたことは否定しようがない。実際,この5年間の世界のミャンマー難民認定率は2011年以前と大きく変化がない中で,日本ではわずかに2人という惨憺たる結果にとどまっている。ロヒンギャですら保護されない,国軍と対峙している少数民族の活動家も保護されない状態は異常としか言いようがない。

この出身国情報が的確に評価分析されていないということと,これまでの難民認定が適正に実現されていないこととは強く関連している。迫害の定義も,迫害の十分に理由のある恐怖も,あらゆる難民認定の判断局面で出身国情報に支えられた判断が必要となる。ところが,上記のとおり出身国情報が生かされていないのだから,難民が難民として保護されないという事実が続いている。再申請も送還停止効も,これまで制限がなかったからこそ,難民が送還されずに救われてきたという実態がある。その難民たちをまずは救済することから手をつけなければならない。

2014年の難民専門部会による報告を踏まえて,「規範の確立」が言われ続けながら,なんらそのことが実現されることなく,難民申請者を追い込む方向だけが実現されていくということは片手落ちと言わざるを得ない。今回の法改正の方向性そのものが間違っている。そのことを前提にした議論が求められている。

全国難民弁護団連絡会議

2021年2月19日

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