ホーム/ニュース > 声明/提言 > 2010518日・声明

 

法務大臣 千葉景子 殿

法務省入国管理局長 殿

東日本入国管理センター所長 殿

2010年5月18日  

声明

全国難民弁護団連絡会議  

代表 弁護士 伊藤和夫  

 

 茨城県牛久市の法務省東日本入国管理センターの被収容者多数が、2010年5月10日からハンガーストライキを開始した。

 報道で公表されている要求事項は、「半年以上の長期収容をしない」「仮放免保証金を20万円以下にする」「18歳未満を収容しないこと」などである。

 本年3月には大阪府茨木市の西日本入国管理センターで、処遇改善などを求めて約70人のハンストが行われたところである。

 これら施設の長期被収容者には、多数の難民認定申請者(難民認定手続、異議申立手続、訴訟中の者を含む。)が含まれている。

 難民認定申請者は、原則として収容すべきでない。本来身体拘束は必要な場合に限ってなされるべきであることはもちろん、特に難民認定申請者については、出身国で迫害を受けてきた可能性、迫害に基づく心的外傷が収容によって悪化する可能性、難民としての立証活動が阻害されること、法務省に対する信頼(適正難民認定手続の基礎として不可欠である。)を損なう可能性などを考慮すれば、特に収容を避けるべき理由がある。

 仮に収容をする必要がある場合にも、過度に長期、また不定期な収容はするべきでなく、また女性、未成年者に対する特別な配慮が必要である。

 しかるに入国管理局収容施設の実情は、難民認定申請者を含めて、不定期の収容を日常とし、1年を超える長期収容や、女性・未成年者に対する配慮のない収容が行われており、これら人権を侵害する状況の改善を当連絡会議は要請してきた。

 今年に入っての西日本、東日本入国管理センターの相次いでのハンガーストライキの発生は、収容の実状の不合理さが背景にあると言わざるを得ない。

 法務省入国管理局は、被収容者の要請を真摯に受け止め、難民認定申請者は、原則として収容すべきでないこと、仮に収容をする必要がある場合にも、過度に長期、また不定期な収容はしないこと、女性、未成年者に対する特別な配慮をすることを、規範化し、遵守すべきである。

以 上

 

Copyright 2010 JLNR 全国難民弁護団連絡会議 All Rights Reserved