全難連監修『難民勝訴判決20選―行政判断と司法判断の比較分析』の出版について
 
この度、全難連監修の『難民勝訴判決20選―行政判断と司法判断の比較分析』が信山社より10月30日付けで出版されることになりました。
本書は、難民審査参与員制度導入後に異議棄却された事案のうち、その後の裁判で不認定処分が取消し又は無効確認された事案20件(ミャンマー16件、エチオピア、スリランカ、ウガンダ、アンゴラ各1件)について、行政判断と司法判断を比較分析したものです。
 
比較分析においては、出身国情報の分析、信憑性の判断、主な不認定・異議棄却理由の考察、全体的・総合的な評価などの視点から、司法判断では考慮されたが行政判断では考慮されなかったものについて分析をすすめています。
 
もちろん、司法の判断が万全であるということはできませんが、司法判断で示された水準とその内容が実践されることによっても,現在の難民認定行政の運用にかなりの変容が遂げられ得ると私たちは考えています。
 
本書の作成にあたっては、収録事案の難民本人や代理人弁護士はいうまでもなく、国連難民高等弁務官事務所や難民支援NGOの方々などたくさんの方々からご助力をいただきました。
 
難民認定審査に関わる難民調査官や難民審査参与員の方々、難民事件に関わる裁判官、弁護士やロースクール生、さらには難民問題に日々取り組まれている支援者の方々にも読んでいただき、本書が、日本の難民認定の質的向上と専門性を導くための一助になることを願っています。
 
全国難民弁護団連絡会議
代表 弁護士 渡邉彰悟(編集代表)

http://www.shinzansha.co.jp/book/b211027.html(信山社ウェブ)